こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
歯周病は、歯ぐきや歯を支える骨が少しずつ壊れていく病気です。初期段階では自覚症状が少ないことから、気づかないうちに進行するケースが多いです。
「一度かかったら治らない」と思われるかもしれませんが、正しい治療とケアを続けることで進行を止め、健康な状態を維持できます。
この記事では、歯周病は本当に治るのかという疑問に対して、現在の治療法や効果的な予防法も交えて詳しく解説します。
歯周病とは
歯周病は、歯と歯ぐきの間に細菌が入り込み、歯ぐきや歯を支える骨に炎症を引き起こす病気です。はじめは歯ぐきが赤く腫れたり出血したりする歯肉炎から始まり、進行すると歯を支える骨が溶ける歯周炎へと移行します。
自覚症状が少ないまま進行することも多く、気づいたときには重度になっているケースもあります。放置すると歯がぐらつき、最終的には抜け落ちる可能性もあるため、早期の発見と適切なケアが重要です。
歯周病は治るのか？
歯周病は、進行具合によって治る状態の意味合いが異なります。初期の歯肉炎であれば、適切なケアを行うことで健康な状態に戻せます。
しかし、歯を支える骨が失われる歯周炎まで進行した場合は、完全に元の状態に戻すことは難しいでしょう。現状を維持し悪化を防ぐコントロールが、治療の主な目的となります。
歯周病はどうやって治療する？
歯周病の治療は、進行段階や患者さまの口腔環境に応じて段階的に行われます。軽度の歯肉炎から重度の歯周炎まで、その進行度合いによってアプローチは異なりますが、共通して重要なのは原因となる細菌を減らし、炎症を抑えることです。
ここでは、歯周病治療の主な流れと方法について段階的に解説します。
歯磨き指導と生活習慣の見直し
歯周病治療の第一歩は、原因となるプラークをしっかりと取り除くことです。そのためには、正しいブラッシング方法を身につけることが不可欠です。
歯科医師や歯科衛生士が、歯の形状や磨き残しの多い部位を確認したうえで、個々に合った歯磨きの指導を行います。適切なブラシの選び方や動かし方、歯間ブラシやフロスの使用方法などを習得することで、毎日のセルフケアの精度が大きく向上します。
また、喫煙や糖尿病、ストレスなども歯周病を悪化させる要因とされているため、生活習慣の改善も大切です。
歯石の除去（スケーリング）
歯ぐきに炎症が見られる段階では、歯石の除去が治療の中心になります。歯石は歯の表面に固くこびりついた細菌の塊で、歯ブラシでは除去できません。
スケーラーと呼ばれる器具を使い、歯の表面や歯ぐきの縁に付着した歯石を取り除く処置がスケーリングです。この処置により、細菌の温床となる汚れを除去し、歯ぐきの炎症を抑える効果が期待できます。
歯周ポケット内の清掃
歯周病が進行し、歯周ポケットが深くなっている場合は、より深い部分の歯根に付着した汚れを除去するルートプレーニングが行われます。歯の根の表面を滑らかに整えることで、汚れの再付着を防ぎ、歯ぐきの再付着を促す処置です。
処置中に痛みを感じやすいため、麻酔を使用することもあります。
外科的処置
炎症が深部にまで進行している重度の歯周炎では、通常のスケーリングやルートプレーニングでは改善が難しいことがあります。そのような場合には、歯ぐきを切開して奥深くの歯石や感染組織を直接取り除く歯周外科治療が検討されます。
代表的な方法には、フラップ手術や再生療法などがあり、歯を支える骨の再構築や歯周ポケットの浅化を目的としています。外科的な処置はすべての患者さまに必要なわけではありませんが、進行度が高く保存が難しいと判断された場合には、有効な選択肢です。
メンテナンスと再発防止
治療が一段落しても、歯周病は完治するというよりもコントロールし続ける病気です。そのため、治療後も定期的な歯科受診を通じて、メンテナンスを継続することが欠かせません。
歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さ、プラークの付着状況などを定期的に確認し、必要に応じてクリーニングや再治療を行います。メンテナンスの頻度は個々の状態によって異なりますが、一般的には3か月に1回程度が目安とされています。
歯周病を予防するために自分でできること
歯周病は毎日のセルフケアと生活習慣の見直しによって、予防や進行の抑制が可能な病気です。ここでは、歯周病を防ぐために日常生活で実践できるポイントについて詳しく解説します。
正しいブラッシングを習慣にする
歯周病予防の基本は、毎日の丁寧なブラッシングです。ただ磨くだけではなく、自分に合った方法で磨けているかが重要です。歯と歯ぐきの境目にブラシの毛先をきちんと当てて、小刻みに動かすよう意識することで、歯垢を効果的に除去できます。
また、力を入れすぎると歯ぐきを傷つける可能性があるため、やさしく磨くことを心がけましょう。
ブラシの選び方にも注意が必要です。毛の硬さはふつう〜やわらかめを選び、歯並びや口の大きさに合ったヘッドサイズを使うことで、隅々まで磨きやすくなります。
歯間の清掃も取り入れる
歯と歯の間には、ブラシだけでは届かない部分が存在します。そこに残る歯垢は、歯周病の原因となる細菌の温床になります。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用して、歯間の清掃も取り入れることが大切です。
特に、歯と歯の接触面や、詰め物・被せ物のある箇所は汚れが残りやすいため、意識的なケアが求められます。
歯間ブラシはサイズが複数あるため、適切なものを選ぶ必要があります。無理に大きなサイズを使用すると歯ぐきを傷つけることがあるため、初めて使う場合は歯科医院で指導を受けましょう。
生活習慣を見直す
食生活や睡眠、喫煙などの生活習慣も、歯周病の発症や進行に大きく関係しています。甘い物や間食が多いと、口腔内の細菌が活発になりやすく、歯垢の蓄積を助長します。
また、就寝中は唾液の分泌が減るため、寝る前のブラッシングは特に重要です。
喫煙は歯ぐきの血流を悪くし、免疫機能を低下させることで歯周病を悪化させるリスクを高めます。禁煙によって歯ぐきの状態が改善されることもあるため、口腔内の健康維持のためにも禁煙を検討しましょう。
さらに、ストレスも歯周病と深く関係しています。ストレスが続くと免疫力が落ち、歯周病菌に対する抵抗力が弱まるため、睡眠や休養をしっかり取り、心身の健康を整えることも予防の一環といえます。
口腔内の乾燥を防ぐ工夫
口の中が乾燥すると、唾液による自浄作用が低下し、細菌が増殖しやすい環境になります。特に、高齢者や口呼吸の習慣がある方、薬の副作用によって唾液の分泌が減っている方は注意が必要です。
口腔内の乾燥を防ぐには、水分をこまめに摂ること、ゆっくり噛んで唾液の分泌を促すことが有効です。また、ガムを噛む習慣や、保湿ジェル・スプレーを使用することで乾燥を和らげられます。
就寝時に口が開いている傾向がある方には、鼻呼吸を促すマウステープなども選択肢のひとつです。
定期的な歯科受診でチェックを続ける
どれだけ丁寧にセルフケアをしていても、完全にプラークを除去するのは困難です。そのため、自分でのケアに加えて、歯科医院での定期的なチェックとプロフェッショナルケアを受けることが重要です。
歯科医院では、歯石除去や歯周ポケットの測定、歯ぐきの状態のチェックなど、目に見えない初期の変化を早期に発見することができます。歯周病は自覚症状が出にくいため、軽度のうちに対処することが非常に重要です。
一般的には3〜6か月に1回の受診が推奨されますが、個々のリスクに応じて頻度を調整することが必要です。
まとめ
歯周病は、初期であれば健康な状態へ戻すことが可能であり、進行した場合でも適切な治療とケアを継続すれば、進行を抑えて歯を守れます。重要なのは、治療だけでなく毎日のセルフケアや生活習慣の見直し、そして歯科医院での定期的なメンテナンスを怠らないことです。
自覚症状が出にくい病気だからこそ、少しでも不安があれば早めに歯科医師に相談しましょう。
歯周病の治療を検討されている方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯や歯周病治療だけでなく、小児歯科や矯正歯科、ホワイトニング、マタニティ歯科などさまざまな診療に力を入れております。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。