こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
親知らずが埋まったまま生えてこないけど大丈夫か不安を感じてはいませんか。なかには、抜いた方がいいのかお悩みの方もいるでしょう。埋まった親知らずは、抜歯が必要なケースと経過観察で問題ないケースがあります。
本記事では、埋まっている親知らずの対処法について詳しく解説します。抜歯の判断基準から実際の治療の流れまでわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
親知らずの生え方

親知らずは通常18〜25歳頃にかけて生えてくる最後の永久歯です。奥歯のもっとも後方に位置し、正式には第三大臼歯と呼ばれています。理想的な状態では、あごに対して垂直に萌出し、ほかの歯と同様に機能します。
しかし、現代人のあごは小さい傾向にあり、親知らずが正常に生えるためのスペースが不足しているケースが非常に多くなっています。そのため、親知らずが垂直に生えることが難しくなり、さまざまな萌出パターンが存在するようになりました。
埋まった状態の親知らずは、その埋まり方によっていくつかのタイプに分類されます。完全埋伏は歯冠部分が完全に歯茎や骨の中に埋まっている状態で、レントゲン撮影でのみ確認できます。
一方、不完全埋伏は歯の一部が歯茎から見えているものの、完全には萌出していない状態を指します。この場合、歯の頭の部分が少し顔を出していることが多く、清掃が困難になりがちです。
状態によって抜歯の必要性や難易度が大きく変わってくるため、歯科医師による詳細な診断が不可欠となるでしょう。
埋まっている親知らずは抜いたほうがいい?

埋まっている親知らずは全てのケースで抜歯が必要なわけではありません。萌出の仕方や年齢、既往歴などを考慮したうえで歯科医師が判断します。ここでは、抜歯が必要なケースと不必要なケースについて解説します。
経過観察で良いケース
すべての埋まっている親知らずが抜歯対象となるわけではありません。
完全に歯茎のなかに埋まっており、周囲の歯や組織に影響を与えていない場合は、定期的な経過観察でよいケースも多くあります。特に垂直埋伏で炎症の既往歴がなく、レントゲン上でも問題が認められない場合は、積極的な抜歯は必要ないと判断されることが多いです。
抜歯が必要なケース
一方で、埋まっている親知らずの抜歯を検討すべき主な症状や状況は、以下の通りです。
頻繁に腫れや痛みを繰り返している
親知らずの周囲は磨きにくく、汚れが残ったままになりやすいため、親知らずの周囲に炎症が起こることがあります。この状態を智歯周囲炎といいます。埋まっている親知らずでも、歯茎に一部が顔を出している場合、細菌が侵入して、感染を起こしやすい環境になるため注意が必要です。
親知らずが原因で歯茎に腫れや痛みを繰り返している場合には、抜歯が勧められることが多いでしょう。一度炎症が起こると、同じ箇所で再発を繰り返すケースが少なくありません。
痛み止めや抗生物質で一時的に症状を抑えることはできますが、根本原因である親知らずを取り除かない限り、完全な解決は難しいといえます。
噛み合わせに悪影響を与えている
埋まっている親知らずが隣の歯を継続的に押し続けることで、歯並び全体に影響を与える可能性もあるでしょう。
なかでも、矯正治療を受けた経験がある方は、せっかく整えた歯並びが親知らずの圧迫によって乱れるリスクがあります。また、圧迫された歯は痛みを感じることもあり、日常生活に支障をきたす場合もあるでしょう。
さらに、埋まっている親知らずが歯根を圧迫し続けることで、隣接する歯の根が吸収を引き起こす可能性もあります。歯の根の吸収が進行すると、健康な歯を失うリスクが高まるため、親知らずの抜歯が必要です。
埋まっている親知らずを抜くときの流れ

埋まっている親知らずを抜く場合、どのような流れでおこなわれるのか不安に感じている方も多いでしょう。ここでは、埋まっている親知らずを抜くときの流れを解説します。
診査・診断
埋まっている親知らずの抜歯を検討する際は、まず詳細な診査から始まります。口腔内の視診に加えて、パノラマレントゲンやCT撮影による画像診断が重要です。検査によって、親知らずの位置や角度、周囲の神経や血管との位置関係、骨の密度などを詳しく評価します。
なかでも、下の親知らずは神経の管や血管が近いため、距離を正確に測定し、抜歯時のリスクを事前に把握することが不可欠です。
術前準備と説明
診断結果をもとに、抜歯の必要性と方法について患者さんに詳しく説明します。抜歯の流れや予想される所要時間、術後の経過、注意事項などについて十分にお話しし、患者さんの同意を得たうえで治療を進めます。なお、服用中の薬がある場合は休薬の必要性についても検討します。
麻酔と切開
抜歯当日は、まず局所麻酔を十分に効かせます。麻酔が効いたことを確認したあと、歯茎を切開して歯を露出させます。
骨削除と抜歯
埋まった親知らずを取り出すために、周囲の骨を削除する作業が必要になることがあります。また、歯を一度に取り出せない場合は、分割してから取り出します。歯科用ドリルを使用して慎重に作業を進めます。歯を完全に取り出したあとは、抜いた部分を洗浄します。
縫合
切開した歯茎を元の位置に戻して縫合します。縫合に吸収性の糸を使用する場合には、術後1週間程度で自然に溶けてなくなります。
経過観察と抜糸
術後の経過確認のため、通常は翌日または2〜3日後に来院していただきます。腫れや痛みの程度を確認し、必要に応じて追加の処置をおこないます。縫合した場合は、1週間後に抜糸をおこなうケースが一般的です。
完全な治癒には2〜4週間程度要することが多く、この期間中は注意深く様子を観察するようにしましょう。
親知らずを抜いたあとの注意点

親知らずの抜歯後、適切にケアをおこなうことで順調な回復を促し、合併症のリスクを最小限に抑えることができます。注意点を守らないと痛みや腫れが長引いたり、深刻な合併症を引き起こしたりする可能性があるでしょう。
ここでは、抜歯後の注意点について詳しく解説します。
抜歯直後は止血する
抜歯直後は出血が起こるため、30分~1時間ほどガーゼをしっかりと噛んでください。血が固まるまでは出血しやすい状態が続くため、血行を促進する行為は避けることが重要です。
痛み止めを服用する
痛みが心配な場合は、麻酔が完全に切れる前に痛み止めを服用するとよいでしょう。麻酔が切れてから服用すると効果が現れるまでに時間がかかり、場合によってはまったく効かないこともあるため注意が必要です。
抜歯当日は運動・入浴・飲酒をしない
抜歯後は出血しやすい状態のため、運動や長時間の入浴、アルコールの摂取は控えてください。特に抜歯当日から数日間は激しい運動や筋力トレーニングは避け、お風呂はシャワー程度にとどめておくと良いでしょう。
また、抜歯後の食事は食べカスなどが傷口に入らないようにすることが大切です。抜いた歯と反対側で噛むように心がけ、刺激の強い食べ物や熱すぎる食べ物は避けてください。やけどや頬を噛む危険性があるため、麻酔が完全に切れてから食事をしましょう。
処方薬は指示通り服薬する
抜歯後は抗生剤と痛み止めを処方されるケースが一般的です。抗生剤は必ず処方された分はすべて服用しましょう。細菌感染を防ぐためにも、途中でやめずに最後まで飲み切ることが大切です。
また、痛み止めは我慢せずに適切なタイミングで服用しましょう。痛みが強くなってからでは効果が得にくくなるため、予防的に服用するよう指示される場合もあります。
歯ブラシを強く当てない
抜歯後は、傷口周辺の歯磨きは控えめにし、やわらかい歯ブラシを使用しましょう。抜歯部位に直接歯ブラシが当たらないよう注意しながら、ほかの部分は通常通り清潔に保つことが感染リスクを減らすためにも必要です。
また、強いうがいは血餅を洗い流す危険性があるため、優しくおこないます。処方されたうがい薬がある場合は、指示に従って適切に使用しましょう。
まとめ

埋まった親知らずの治療は、患者さん一人ひとりの状況に応じた適切な判断が求められます。すべての埋まっている親知らずが抜歯対象となるわけではなく、症状や位置関係を総合的に評価して治療方針を決定することが重要です。
抜歯が必要な場合でも、事前の十分な診査により、安全におこなうことができます。術後の経過も個人差がありますが、注意事項を守ることで順調な回復が期待できるでしょう。
親知らずにお悩みの方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯や歯周病治療だけでなく、小児歯科や矯正歯科、ホワイトニング、マタニティ歯科などさまざまな診療に力を入れております。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。