こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
全部の歯をインプラントにすることで得られるメリットはありますが、同時にデメリットや費用も考慮する必要があります。
この記事では、全部の歯をインプラントにするメリットやデメリットについて解説します。治療方法や費用もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
全部の歯をインプラントにするメリット
全部の歯をインプラントにするメリットには、 1本あたりの治療費を抑えられること、審美性に優れていること、身体への負担が少ないことが挙げられます。それぞれ詳しく説明していきます。
1本あたりの治療費を抑えられる
インプラント治療は、埋め込む本数が増えるほど費用が高くなります。詳しい方法は後述しますが、全部の歯をインプラントにする場合、埋入するインプラントの本数を最小限に抑えることができます。1本あたりの治療費を抑えられることもあるでしょう。
審美性に優れている
素材にこだわったインプラントでも、単体で行う場合は周囲の歯と調和させるのが難しく、見た目に一貫性が出ないことがあります。全部の歯をインプラントにすると、全部の歯を同じ素材とデザインで統一することができます。
歯並びが整い、バランスの取れた美しい見た目になるでしょう。
身体への負担が少ない
インプラント治療は、術後に痛みや腫れが発生することが多いです。埋め込むインプラントの本数が増えると、これらの症状が強く出る可能性が高まります。
上述しましたが、全部の歯をインプラントにする場合は埋入するインプラントの本数を減らせることがあります。痛みや腫れなどの症状も軽減されるでしょう。
全部の歯をインプラントにするデメリット
全部の歯をインプラントにすることには、デメリットも存在します。治療を検討する際には、デメリットも十分に理解することが重要です。
対応可能な歯科医院が限られている
インプラント治療は多くの歯科医院で行われていますが、全部の歯をインプラントにする大規模な治療に対応できる歯科医院は限られています。治療を受ける際には、事前に治療に対応している歯科医院を見つけなければなりません。
近くに対応可能な歯科医院がない場合、自宅から遠く離れた場所にある医院に通わなければならないこともあるでしょう。通院の手間や時間、交通費などの負担が増えるかもしれません。
治療できない場合がある
患者さまの顎骨の状態や全身の健康状態によっては、インプラント治療を受けられない場合があります。例えば、顎骨の量が極端に少ない場合や、高血圧や糖尿病などの慢性的な疾患を持っている場合、インプラント治療が難しいことがあります。
しかし、このような条件に該当するからといって必ずしも治療が不可能というわけではありません。
顎骨の量が少ない場合でも、骨造成手術を行うことでインプラント治療を受けられるようになるケースもあります。慢性疾患があっても、主治医の許可が下りれば治療が可能な場合もあります。
医師と十分に相談し、リスクを理解した上で治療を受けるか選択することが重要です。
インプラント周囲炎のリスクが高まる
全部の歯をインプラントにすると、インプラント周囲炎のリスクが高まることがあります。インプラントには、天然の歯にある歯根膜が存在しません。歯根膜は歯根と骨をつなぐ重要な組織で、周囲の組織に血液を供給する役割を果たしています。
インプラントには歯根膜がないため、インプラント周囲の組織への血液供給が少なくなり、抵抗力が弱まります。インプラントを埋め込んだ部位が細菌に感染しやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが増大するのです。
特に、全部の歯をインプラントにする場合は、複数のインプラントが同時に細菌感染の影響を受ける可能性があるでしょう。歯茎の腫れや出血、最悪の場合にはインプラントの脱落といったトラブルが発生することがあります。
このようなトラブルを防ぐためには、日頃からのセルフケアや定期的なメンテナンスが欠かせません。
治療費が高額になる
インプラント治療には保険が適用されないため、費用は全額自己負担となります。1本あたりの費用はおよそ25万円から60万円程度とされています。
全部の歯をインプラントにする場合、1本1本インプラントを埋め込むわけではなくても複数本のインプラントが必要になります。治療費を抑えるためには、医療費控除の活用などが必要です。
手術時間が長くなる
インプラント治療は、埋め込む本数が増えるほど手術時間が長くなります。1本のインプラントを埋め込むのにかかる時間は30分程度ですが、全部の歯をインプラントにする場合、複数本を一度に埋め込むことになるため手術時間が長くなります。
また、骨造成などの追加手術が必要になる場合は、さらに時間がかかります。
全部の歯をインプラントにする方法とは?
全部の歯をインプラントにする方法には、インプラントオーバーデンチャー、オールオン4、インプラントブリッジがあります。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントオーバーデンチャーは、インプラントと総入れ歯を組み合わせた治療法です。総入れ歯が安定するように、インプラントを利用します。
必要なインプラントの本数は2~4本程度で、インプラントに磁石やボタンをつけて総入れ歯を固定します。
インプラントオーバーデンチャーの大きなメリットは、総入れ歯を患者さま自身が簡単に取り外して洗浄できることです。装着も自身で行えるため手間がかからず、日常生活においても非常に便利です。
また、普通の総入れ歯と比較して噛む力が強く、上顎を覆う床の部分がないため異物感が少ないことも特徴です。
インプラントオーバーデンチャーではインプラントを数本しか使用しないため、身体への負担が少なく費用も抑えることができます。保険適用外の自費診療ではありますが、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。
オールオン4
オールオン4(オールオンフォー)は、4~6本のインプラントを使用して人工歯を固定する方法です。少数のインプラントを顎骨に埋め込むことで、骨の多い部分にしっかりと固定します。プラスチック製の床に10~12本の歯を並べた上部構造を支えることが可能です。
オールオン4の大きなメリットは、総入れ歯と比較して違和感が少なくよく噛める点です。総入れ歯が口内の粘膜に吸着させるのに対し、オールオン4はインプラントで固定するため、床の部分の面積が最小限です。
また、手術当日に仮歯を装着するため、見た目を気にする必要がなく、手術当日から軽食を摂ることができます。
インプラントオーバーデンチャーとの違いは、オーバーデンチャーは患者さま自身で取り外し可能であり毎日洗浄が必要であるのに対し、オールオン4は固定式で取り外しができない点です。オールオン4は、天然の歯と同様に歯磨きで清掃します。
インプラントブリッジ
既に何本かのインプラントが埋入されている場合は、インプラントブリッジという方法も選択肢に入ります。既に埋入されているインプラントを基礎にして、欠損部分にインプラントを追加して歯を補います。
インプラントブリッジのメリットは、複数のインプラントが埋入されているため、上部構造の安定性が向上し噛みやすくなることです。埋入する部分の骨が不足している場合には、骨造成の処置が必要になります。
全部の歯をインプラントにする場合にかかる費用
全部の歯をインプラントにする際の費用は、選択する治療法によって大きく異なります。以下に、代表的な治療法と費用について詳しく説明します。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントオーバーデンチャーで必要なインプラントの本数は2~4本です。費用は、総額で50万円から150万円ほどです。
インプラントオーバーデンチャーは保険適用外であるため、費用は全額自己負担となります。
通常の入れ歯は保険が適用されるため、3割負担で9,000円ほどで治療を受けられます。インプラントオーバーデンチャーは高額ですが、入れ歯の固定力が向上し噛む力や快適さが増すため、費用対効果を考慮すると魅力的な選択肢と言えます。
オールオン4
オールオン4の費用は、平均的に400万円前後となります。オールオン4では使用するインプラントの本数が少ないため、通常のインプラント治療よりもコストを抑えることが可能です。
通常のインプラント治療では、全顎で1,000万円ほどかかることがありますが、オールオン4を選べば半額以下の費用で治療を受けられるでしょう。
ただし、口腔内の状況や個々の治療計画によっては、費用が変動することもあります。
インプラントブリッジ
例えば、奥歯3本分の欠損を2本のインプラントでブリッジ治療する場合、費用は総額で80万円から100万円ほどです。インプラントブリッジは、すべての箇所にインプラントを1本ずつ埋め込む必要がないため、費用を抑えることができます。
まとめ
インプラント治療は、失った歯を補うための有効な手段です。メリットやデメリット、費用について理解することが重要です。
全部の歯をインプラントにするメリットとしては、審美性や機能性の向上、噛む力の強化などが挙げられます。インプラント周囲炎のリスクが高まることや対応可能な歯科医院が少ないことなどのデメリットも存在します。
治療法はいくつかあり、それぞれ特徴と費用が異なります。オールオン4は比較的費用を抑えられる方法であり、インプラントオーバーデンチャーは患者さま自身で取り外しが可能です。
費用は治療方法や口腔内の状況により異なりますが、どの方法も高額であるため慎重に検討しましょう。
全部の歯のインプラントを検討されている方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。