こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
「子どもの乳歯が虫歯になっても、そのうち生え変わるから放置してもよいのでは?」と考えていませんか。
しかし、乳歯の虫歯を放置すると、次に生えてくる永久歯や将来の歯並び、噛み合わせに悪影響を及ぼすことがあります。では、乳歯の虫歯はどのように治療するのでしょうか。
この記事では、乳歯の虫歯の治療が必要な理由や進行レベルに応じた治療方法、そして乳歯の虫歯の予防法について詳しく解説します。この記事を参考にしていただき、お子さまの将来の歯の健康を守りましょう。
乳歯は虫歯になりやすい
乳歯は虫歯になりやすく、また進行も早いです。ここでは、乳歯が虫歯になりやすい理由について解説します。
エナメル質が薄いから
虫歯は、原因となる細菌が食べ物に含まれる糖分をエサにして酸を生成し、その酸がエナメル質を溶かすことで生じます。
エナメル質とは、歯の一番外側を覆う組織で、人体のなかで最も硬い組織です。エナメル質の内側には象牙質、さらにその内側に神経などが通る歯髄という組織で歯は成り立っています。乳歯のエナメル質や象牙質は薄く、永久歯の約半分の厚みしかありません。
また、乳歯はエナメル質から歯髄までの距離が短いため、虫歯になるとすぐに神経に達してしまいます。さらに、生えたばかりの歯はエナメル質が完全に硬くなっておらず不完全な状態です。乳歯のエナメル質が完全に硬くなるまでには2〜4年かかると言われています。
乳歯はこのような特徴から、永久歯よりも酸によるダメージを受けやすく、虫歯になりやすいうえに、短期間で進行することが多いのです。
歯磨きがまだ完璧にできないから
小さいお子さまはまだ歯磨きが上手ではないため、歯と歯の間や歯と歯肉の境目などに食べカスなどの汚れが残りがちです。特に、奥歯の溝や歯と歯の間などは磨き残しが生じやすいため、虫歯になりやすいです。
また、生えかけの歯や生えたての歯など完全に歯肉から出ていない場合、歯ブラシが当てにくいため、磨き残しが生じやすくなります。
おやつを頻繁に食べるから
子どもの場合は、一度の食事で多くの量がとれないため、補食としておやつを食べる回数が多くなります。
しかし、おやつを頻繁に食べると、口の中に長時間糖分が残り、虫歯菌が繁殖しやすい環境を作り出します。特に、甘いお菓子や清涼飲料水は、虫歯菌のエサとなる糖分を多く含んでいるため、頻繁に口にすると虫歯になるリスクが高まります。
口呼吸が習慣になっているから
お子さまが口呼吸をしている場合、口の中が乾燥して唾液の分泌量が減少します。唾液には、口の中の食べかすを洗い流す自浄作用や、酸によって溶けた歯の成分を戻す働きがあります。
しかし、口呼吸によって唾液の量が減ると、その効果が弱まり、虫歯になるリスクが高まるのです。
乳歯の虫歯は治療が必要?
乳歯はどうせ抜けるからと虫歯を放置すると、永久歯にも悪影響を及ぼす可能性があるため、治療は必要です。乳歯の虫歯を放置すると、以下のようなリスクが高まります。
日常生活に支障が出る
乳歯の虫歯も、永久歯と同じように進行すると痛みや腫れを引き起こします。特に、甘いものを食べたり、熱いものや冷たいものを口にしたりした際に痛みを感じやすくなり、食事や睡眠の妨げになるなど日常生活に支障をきたす場合があります。
歯並びや噛み合わせに影響が出る
乳歯の虫歯が治療されないまま進行すると、抜ける可能性があります。乳歯が早期に抜けると隣の歯が傾いてきたり、次に生える永久歯が正しい位置に生えてこなかったりして、歯並びや噛み合わせが悪くなるリスクが高まります。
次に生えてくる永久歯に影響する
乳歯の下にはすでに永久歯が形成され始めています。そのため、乳歯の虫歯が進行して根っこまで達すると、細菌感染を引き起こして変色した永久歯が生えてくるなど影響を及ぼすことがあるのです。
発音や見た目に影響する
前歯の虫歯が進行し、隙間ができると、空気が抜けて発音が不明瞭になることがあります。また、虫歯が進行して歯が黒くなったり、穴が開いたりすると見た目が悪くなります。乳歯の虫歯を放置すると、これらが発生する可能性が高まるため、乳歯の虫歯の治療は必要なのです。
乳歯の虫歯の治療方法[進行レベル別]
虫歯を放置すると、最終的に歯の根だけが残った状態にまで進行していきます。乳歯の虫歯の治療法は、進行具合によって異なります。ここでは、乳歯の虫歯の治療方法について進行度別に解説します。
初期段階の虫歯
虫歯の初期段階で、まだ歯に穴はあいておらず、表面のエナメル質が白く濁っている状態では、フッ素塗布を行います。フッ素には、歯の質を強化し、虫歯菌の活動を抑制する働きがあるため、歯を削らず虫歯の進行をくい止めることが可能です。
さらに、ご自宅で行う毎日のセルフケアで徹底してプラークを取り除くことで、原因となる虫歯菌を除去でき、歯の表面にしっかり唾液が作用するようになります。
エナメル質の虫歯
歯のエナメル質が溶けて穴があいている場合には、虫歯の部分を削り取り、レジンと呼ばれる歯科用プラスチックを詰める治療を行います。レジンでの修復は基本的に1回で治療ができ、見た目も歯の色に近い自然な仕上がりになります。
象牙質の虫歯
虫歯が象牙質まで達している場合には、虫歯部分を削り、レジンを詰めたり、型を取って詰め物や被せ物を装着したりします。型取りをして詰め物・被せ物を装着する場合は、2回ほど通院する必要があるでしょう。
神経にまで達した虫歯
虫歯が歯の神経にまで達している場合には、根管治療が必要となります。根管治療とは、感染した神経を取り除き、根管内を消毒して、歯を保存する治療です。
乳歯の場合、永久歯への影響を考慮して、なるべく歯の神経を保存する治療が行われますが、場合によっては抜歯が必要となることもあります。
歯根にまで達した虫歯
虫歯で歯のほとんどが崩壊して歯の根だけが残っている状態の場合には、基本的には抜歯をします。
しかし、その後に生え変わる永久歯のスペースを確保するため、歯を補強する治療をして様子を見る場合もあります。
乳歯の虫歯を予防する方法
乳歯の虫歯を予防するためには、日々のケアと定期的な歯科検診が欠かせません。乳歯が虫歯にならないようにすることは、子どもの将来の歯の健康を守るためにも非常に大切です。ここでは、乳歯の虫歯を予防する方法について解説します。
歯磨きの習慣を身につける
お子さまに正しい歯磨き習慣を身につけさせるために、ご家族も一緒に歯磨きを行いましょう。
また、お子さまだけでは十分な歯磨きができないため、仕上げ磨きをしてあげることも大切です。歯ブラシが届きにくく虫歯になりやすい奥歯の噛み合わせの溝や歯と歯の間は丁寧に磨きましょう。
また、就寝中は唾液の量が減り、細菌が活動しやすくなります。食後だけでなく、就寝前の仕上げ磨きは特に丁寧に行いましょう。
フッ素の力で歯を強化する
先述したように、フッ素には歯の質を強化し、虫歯菌の活動を抑制する効果があります。定期的に歯科医院でフッ素塗布を受けることで、虫歯を予防する効果が期待できます。
また、ご家庭でもフッ素入りの歯磨きジェルなどを使用することで、日常的に歯にフッ素を取り入れることができます。
おやつの食べ方に注意する
乳歯の虫歯を予防するためには、食生活の見直しも重要です。おやつはだらだらと長い時間食べず、時間を決めて摂りましょう。また、なるべく飲み物を水やお茶にする、長時間お口に残るものは頻繁に食べないなど、おやつとして口にするものの工夫も必要です。
定期的に歯科検診を受ける
乳歯の虫歯は進行が早いため、早期発見・早期治療が非常に重要です。虫歯が進行すればするほど、虫歯そのものの痛みだけでなく、治療への恐怖感など、お子さまへの負担も大きくなります。定期的に歯科検診を受けて異常はないかチェックしてもらいましょう。
また、フッ素塗布やシーラント(奥歯の噛み合わせの溝を埋める処置)など、予防的な処置を受けることで、虫歯の発生リスクを大幅に減らすことができます。
まとめ
乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の発育や歯並びへの影響など、様々なリスクを伴います。お子さまの歯の健康を守るためにも、乳歯に虫歯がある場合には早めに治療を受けましょう。
また、乳歯の虫歯を早期に発見するためには、歯科医院で定期的に検診を受けることが大切です。また、ご家庭でもしっかりとケアを行い、虫歯を予防しましょう。
お子さまの虫歯にお悩みの方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯や歯周病治療だけでなく、小児歯科や矯正歯科、ホワイトニング、マタニティ歯科などさまざまな診療に力を入れております。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。