こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
マウスピース矯正は、装置が目立ちにくく取り外しも可能なことから、近年多くの人に選ばれている矯正方法です。
しかし、治療を進めるなかで歯を少し削る処置が必要になるケースがあり、不安や疑問を抱く方も少なくありません。矯正なのに歯を削ることに驚く方もいるかもしれませんが、これは治療を円滑に進めるための大切なステップのひとつです。
この記事では、マウスピース矯正において歯を削る目的やその方法など、事前に知っておくと安心できる情報をわかりやすく解説します。
マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは、透明なプラスチック製の装置を使って歯並びを整える矯正方法です。従来のワイヤー矯正とは異なり、装置がほとんど目立ちません。
治療は、患者様の歯並びに合わせて作られたマウスピースを段階的に取り替えながら進めていきます。マウスピースを1日20時間以上装着する必要がありますが、食事や歯磨きのときには取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすいのも特徴です。
痛みや違和感も少ないといわれており、日常生活に支障が出にくいという点から、幅広い年齢層の方に支持されています。
ただし、自己管理が重要で、歯科医師の指示通りに装着しないと効果が十分に得られない場合もあります。
マウスピース矯正では歯を削ることがある?

マウスピース矯正では、治療の一環として歯をわずかに削る処置が行われることがあります。これはIPR(Interproximal Reduction)と呼ばれ、歯と歯の間にごく小さなすき間をつくるために行われるものです。
歯並びを整えるためには、歯を並べるスペースをある程度確保する必要があります。このスペースが不足していると歯をうまく動かせずに、歯並びがきれいに整いません。
抜歯によってスペースを確保する方法もありますが、抜歯を避けたい場合や歯がわずかに重なって生えている場合には、IPRのほうが有効なケースもあります。
削る量は非常に少ないです。歯の表面のエナメル質をわずかに削る程度なので、痛みはほとんどなく、歯の健康への影響も少ないとされています。すべての人に歯を削る処置が必要になるわけではありませんが、治療をスムーズに進めるためにIPRが選択されることがあります。
マウスピース矯正で歯を削るメリット

マウスピース矯正で歯を削るメリットは、以下の5つです。
・歯を抜かずにすき間を確保できる
・歯列をバランスよく整えやすくなる
・治療をスムーズに進めやすくなる
・仕上がりの精度が高まる
・後戻りを起こしにくくなる
それぞれ詳しく解説します。
歯を抜かずにすき間を確保できる
歯列を整える際には、歯を動かすためのスペースが必要になります。IPRで歯の側面を少しだけ削ることで、スペースを確保することが可能です。
これは特に、歯のサイズが大きかったり、軽度のガタつきがあったりする場合に有効で、自然な見た目を保ちながら歯並びを改善できる利点があります。
歯列をバランスよく整えやすくなる
歯の一部だけが重なっていたり、前歯が少し前に出ていたりするようなケースでは、歯と歯の幅を調整することで歯列全体のバランスが取りやすくなります。
IPRによって歯の配置が微調整されることで、左右対称で整った歯並びになりやすく、見た目の美しさだけでなく、機能面でも良好な状態を目指すことができます。
治療をスムーズに進めやすくなる
スペースが足りない状態で無理に歯を動かそうとすると、治療が長引くことがあります。適切にすき間を作ることで、歯の動きがスムーズになり、結果として治療全体の進行が早まることがあります。個人差はあるものの、効率的に矯正を進めるために役立ちます。
仕上がりの精度が高まる
歯の表面を少し削って形を整えることで、歯が計画通りに動きやすくなり、治療の仕上がりの精度も高まります。また、細かな歯並びの調整がしやすくなるため、最終的な見た目の完成度も高くなることが期待されます。
後戻りを起こしにくくなる
矯正治療後は、歯が元の位置に戻ろうとする後戻りを起こすことがあります。IPRを行うと、歯と歯の接触面が点から面へと広がり、歯同士の安定感が増します。その結果、歯の位置が固定されやすくなり、後戻りのリスクを軽減する効果が期待できます。
マウスピース矯正で歯を削るデメリット

マウスピース矯正で歯を削るデメリットは、以下の4つです。
・知覚過敏の症状が現れることがある
・元の状態には戻せない
・作れるスペースには上限がある
・削ることへ抵抗感をおぼえることがある
それぞれ詳しく解説します。
知覚過敏の症状が現れることがある
歯の表面を削ることで、まれに冷たいものや甘いものを口にしたときにしみやすくなる知覚過敏の症状が出ることがあります。通常は一時的なもので、時間の経過とともに落ち着くケースが多いですが、不快感を覚える人もいます。
知覚過敏の症状が長引く場合は、歯科医師に相談しましょう。
元の状態には戻せない
IPRで削った部分は自然には再生しないため、一度処置を行うと元の歯の状態には戻せません。そのため、必要性をきちんと見極めたうえで行うことが大切で、歯科医師の経験や判断力も重要になります。歯を削る前に治療計画をしっかりと立て、慎重に処置を行うことが重要です。
作れるスペースには上限がある
IPRによって歯を削って確保できるスペースは、ごく限られた範囲にとどまります。そのため、歯並びの状態や顎の大きさによっては、この方法だけでは十分なスペースを確保できないことがあります。
スペースが足りないと判断された場合には、抜歯をするなど、別の方法を検討する必要があります。
削ることへ抵抗感をおぼえることがある
歯を削ると聞くと、多くの人がネガティブな印象を持つでしょう。IPRは歯のエナメル質をごくわずかに削る処置であるため歯へのダメージはほぼありませんが、やはり心理的な抵抗感が払拭できない方にとってはデメリットとなるでしょう。
歯を削る方法

まずは歯科医師が口腔内を詳しく確認し、どの歯をどの程度削るかを慎重に判断します。
その後、専用の細いヤスリやサンドペーパーのような器具を状況に応じて使い分けながらエナメル質を薄く削ります。この処置は痛みが出にくく、通常は麻酔を使用せずに行われます。最後に削った部分を滑らかに整えれば完了です。
削る量はごくわずかで、片側あたりおよそ0.25mm程度、両側を処置すれば、合計で0.5mm程度のスペースを作ることができます。
歯を削る処置は矯正開始前に行われることが多いですが、場合によっては治療途中で必要になることもあります。理想的な歯並びを目指すうえで、歯の見た目や位置を細かく調整したいときに行われるケースもあります。
まとめ

マウスピース矯正では、歯を理想的な位置へ移動させるために、歯の表面のエナメル質を少しだけ削るIPRと呼ばれる処置が行われることがあります。
この処置は歯を並べるためのスペースを確保するのが目的で、抜歯をせずに歯並びを整えたい場合や、前歯の一部分のみが重なって生えているケースなどに有効です。
削る量は非常に少なく、痛みもほとんどありません。麻酔を使わずに短時間で行えるため、患者様への負担も少ないです。
しかし、削った部分は元に戻らないため、事前にしっかりと説明を受けて納得したうえで処置を受けることが重要です。
IPRはすべての症例に必要となるわけではなく、歯科医師が治療計画に基づいて判断します。歯を削ることにはメリットだけでなくデメリットもあるため、両面を理解したうえで治療を始めることが大切です。
マウスピース矯正を検討されている方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯や歯周病治療だけでなく、小児歯科や矯正歯科、ホワイトニング、マタニティ歯科などさまざまな診療に力を入れております。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。