こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
入れ歯は、歯を失った際の機能回復手段として多くの人に利用されていますが、その寿命について正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。入れ歯も消耗品である以上、永遠に使えるわけではなく、適切なタイミングでの交換やメンテナンスが重要になります。
この記事では、入れ歯の寿命に焦点をあて、平均的な使用年数や寿命が縮む原因、さらに寿命を延ばすための具体的なケア方法について詳しく解説します。入れ歯を長く快適に使いたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
入れ歯の平均的な寿命

入れ歯の寿命は、使用状況や種類によって異なります。一般的に、保険診療の入れ歯であれば3〜5年、自費診療で作られる精密な入れ歯であれば5〜8年が平均的な目安とされています。
とはいえ、これはあくまで目安であり、個人の噛み合わせや手入れの状態、口腔内の変化によって前後します。
入れ歯が時間とともに劣化する理由には、素材の摩耗、変形、人工歯のすり減りなどがあります。また、口腔内の歯ぐきや骨の状態も年々変化するため、最初はぴったりだった入れ歯も合わなくなることがあります。
そのまま使い続けると、痛みが生じたり咀嚼機能が低下したりするだけではなく、口腔内全体の健康にも悪影響を与える可能性があります。
特に、部分入れ歯の場合、周囲の残存歯に負担がかかるため、入れ歯自体だけではなく、自分の歯の寿命にも影響を及ぼす点には注意が必要です。定期的な調整や点検を受けながら使用することが、入れ歯の寿命を最大限に引き延ばす鍵となります。
快適に使用できる状態を保つためにも、寿命がくるまでメンテナンスせず使い続けるのではなく、常に状態を確認しながら使うという意識が大切です。
入れ歯の寿命が縮む原因

入れ歯は適切に使えば長期間使用できますが、使い方や生活習慣によっては想定よりも早く寿命が尽きることがあります。一見、異常がないように見えても、目に見えない劣化や不具合が進行しているケースも少なくありません。
ここでは、入れ歯の寿命を縮める主な原因を紹介します。これらのリスクを知っておくことで、日常の使い方やメンテナンス方法を見直すきっかけになるはずです。
強く噛んでいる・硬いものを噛んでいる
入れ歯は天然の歯と比べて耐久性に劣るため、氷や煎餅などの硬いものを頻繁に噛むと、欠けたり義歯の土台部分にひびが入ったりする可能性があります。また、咬合力が強い方が無理に入れ歯で噛み続けると、負荷が集中して変形や破損の原因になります。
入れ歯を長く使い続けるには、咀嚼時には片側に偏らず両側でバランスよく噛む、硬くないものを中心に食べるようにするなどの工夫が必要です。
口腔内の衛生状態が悪い
口腔内が不衛生な状態が続くと、歯ぐきに炎症が起きたり、カビの一種であるカンジダ菌が繁殖したりする可能性があります。こうした環境では入れ歯との適合も悪くなり、口内炎や痛みの原因になることがあります。
また、汚れた口腔環境が入れ歯に直接影響し、バクテリアの付着や異臭、変色を引き起こすこともあるため、日々の口腔ケアも非常に重要です。
睡眠中も入れ歯を装着している
入れ歯を装着したまま就寝する方もいますが、これも入れ歯の寿命を縮める大きな原因の一つです。装着したまま眠ると、唾液の流れが減って細菌が繁殖しやすくなり、口内の健康を損なうだけではなく、入れ歯本体にも悪影響を及ぼします。就寝時は必ず外して保管しましょう。
合わない入れ歯を使い続けている
加齢や歯ぐきの変化によって、最初はフィットしていた入れ歯も次第に合わなくなってきます。合わないまま使用を続けると、噛み合わせにズレが生じたり粘膜に傷がついたりして、入れ歯だけではなく、口腔内全体にも悪影響を及ぼします。
また、不安定な入れ歯は破損のリスクも高くなります。定期的に歯科医院へ通って入れ歯が合っているか歯科医師に確認してもらい、合わなくなっていたら新しいものに交換しましょう。
不適切な方法で清掃・保管している
入れ歯の清掃を怠ったり間違った方法で洗ったりすることで細菌が繁殖し、素材の劣化や変色、においの原因になります。特に、研磨剤入りの歯磨き粉でこすると細かい傷がつき、そこに汚れがたまりやすくなります。
また、熱湯での洗浄や乾燥した場所での保管も、入れ歯の変形につながります。入れ歯は毎日、正しい方法で清掃・ケアし、外した際も丁寧に保管するようにしましょう。
定期検診を長期間受けていない
入れ歯の不具合は自覚症状がないまま進行することもあります。歯科医院での定期検診を受けていないと小さなズレや摩耗に気づけず、結果的に大きな破損や不快感につながることもあります。
定期的に歯科医師のチェックを受けることで、早期の調整や修理が可能となり、結果的に長く使い続けられるのです。
入れ歯の寿命を延ばすためのメンテナンス方法

入れ歯は正しく使用したり、丁寧にメンテナンスを行ったりすることで長く使い続けられます。「毎日磨いていれば大丈夫」だと思われがちですが、実はそれだけでは不十分なことも多く、自己流のケアでは逆効果になる場合もあります。
寿命をできるだけ長く保ち、常に快適な状態で使い続けるには、正しい知識に基づいた習慣が重要です。このセクションでは、入れ歯を長持ちさせるために意識しておきたいメンテナンスのポイントについて具体的に解説していきます。
毎日の丁寧な洗浄を欠かさない
食後は入れ歯を外し、水で軽くすすいだ後に専用の義歯用ブラシで洗浄しましょう。歯磨き粉の代わりに、研磨剤を含まない入れ歯用の洗浄剤を使うのが基本です。
食べかすやプラークが残ると細菌が繁殖し、口臭や炎症、素材の劣化につながります。就寝前に入れ歯洗浄剤に浸けて一晩置くことで、除菌したり臭いを防止したりする効果も期待できます。
入れ歯専用の道具を使う
入れ歯を清潔に保つためには、入れ歯専用のケア用品を使用することが大切です。通常の歯ブラシや歯磨き粉では傷がついたり表面を痛めたりすることがあります。
入れ歯用ブラシは柔らかく作られており、人工歯や義歯の裏側に付着した汚れを効率よく落とせる設計になっています。洗浄剤も、入れ歯専用のものを選ぶことで、素材への負担を減らしつつ除菌・消臭効果を得られます。
自分の残存歯も一緒にケアする
部分入れ歯を使用している場合、入れ歯だけではなく、残っている天然歯のケアも不可欠です。残存歯が虫歯や歯周病になると入れ歯の支えが不安定になり、修理や再作製が必要になることがあります。
入れ歯の寿命を守るという意味でも、残っている歯の健康維持は大切です。デンタルフロスや歯間ブラシを活用し、歯ぐきの状態を保ちましょう。
正しい取り扱いと保管を心がける
入れ歯は精密な装置であり、落としただけでもヒビや破損の原因になります。洗浄する際は洗面器に水を張るか、柔らかいタオルを敷いた上で作業すると安心です。
また、乾燥すると変形することがあるため、夜間は必ず水や専用の保管液に浸けて保管してください。直射日光や高温の場所も避けましょう。
食事や習慣にも気を配る
入れ歯にやさしい食事を意識することも、メンテナンスの一環です。極端に硬い食材は避け、なるべく柔らかいものを中心に、左右均等に噛むよう心がけると負荷が分散されます。
また、タバコや着色の強い飲み物(コーヒー、赤ワインなど)は入れ歯の変色や劣化を促進するため、控えるようにしましょう。
定期的な歯科受診で調整を受ける
入れ歯は一度作って終わりではなく、口腔内の状態に合わせて定期的な調整が必要です。特に加齢による歯ぐきのやせや骨の変化は、知らず知らずのうちに入れ歯とのフィット感に影響を与えます。
半年から1年に一度は歯科医院で検診を受け、必要に応じて調整や修理を行いましょう。これにより、寿命を延ばすだけでなく、快適性も維持できます。
まとめ

入れ歯は適切に使い、丁寧にメンテナンスを行えば、その寿命を大きく延ばすことができます。平均的な寿命は保険診療の入れ歯で3〜5年、自費診療の入れ歯では5〜8年程度とされていますが、生活習慣や手入れの仕方によって大きな差が生まれます。
寿命を縮める要因には、強い咬合力、不適切な清掃、合わない入れ歯の継続使用などがあり、日々の注意と歯科医師による定期的なチェックが重要です。今回ご紹介したメンテナンス方法を日常に取り入れ、入れ歯を清潔で快適に保ちましょう。
入れ歯は使い捨てるものではなく、育てていく感覚で、大切に付き合っていきましょう。
入れ歯の使用を検討されている方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯や歯周病治療だけでなく、小児歯科や矯正歯科、ホワイトニング、マタニティ歯科などさまざまな診療に力を入れております。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。