こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
矯正治療を受けている方は、歯並びが元に戻る後戻りが起こる可能性があることをご存じかもしれません。後戻りは治療中に歯が動きにくくなった際や、装置を正しく使えなかったときだけ起こるものではありません。実は、矯正治療後の生活習慣や身体の変化にも大きく影響を受けます。
この記事では、後戻りの原因や予防に役立つ知識を解説し、長く美しい歯並びを保つための方法をご紹介します。
後戻りとは

後戻りとは、矯正治療によって理想的な位置に整えた歯が、治療直後の不完全な固定や保定不足により、元の歯並びに近づいていく現象のことです。歯というのは移動した後、周囲の骨や組織が安定するまで時間がかかります。
そのため、矯正終了後、保定装置を使用しないでいると、後戻りが起こる可能性があります。後戻りの進行は人それぞれで、軽度の場合は気づきにくいですが、進行すると歯列全体のバランスや噛み合わせにまで影響を及ぼす可能性があります。
見た目だけではなく、咀嚼や発音機能に支障をきたすこともあり、放置すると矯正治療の効果が完全に失われるかもしれません。
矯正治療後に後戻りが起きる原因

矯正治療を終えたばかりの歯周組織は、不安定な状態にあります。不安定な状態の時期に適切に保定できていないと、後戻りが起きる可能性が高いです。
ここでは、矯正治療後に後戻りが起こる主な原因について詳しく解説します。
リテーナーの装着時間不足
歯を矯正する方法には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、さまざまなものがあります。どの矯正治療を受けたとしても、後戻りを防ぐためにはリテーナーを正しく装着することが不可欠です。
特に、取り外しが可能なリテーナーを使用している場合は注意しましょう。飲食の際などに外せるのは便利ですが、装着を怠ると、せっかく動かした歯が元の位置に戻ろうと動きます。特に、治療直後は時間をかけて安定させることが大切です。治療後、半年から1年間は毎日20時間以上の着用が推奨されます。その後、歯科医師と相談しつつ、夜間のみの装着に切り替えていくのが一般的です。歯科医師の指示に従い、適切にリテーナーを使用しましょう。
舌や口周りの筋肉などの癖
矯正治療で歯並びを整えたとしても、それを維持するための筋肉の環境が整っていなければ後戻りしやすくなります。特に、舌の癖、指しゃぶり、口呼吸などの癖は、歯に継続的に力を加え、歯並びを崩す原因となります。
上述したとおり、矯正治療後の歯周組織は不安定で、動きやすい状態です。この時期に、たとえば前歯を舌で押す癖を続けると、前歯が外側に移動していくかもしれません。
また、口呼吸をしていると、歯列のバランスが崩れる原因になることがあります。不適切な位置に舌が収まったり、口周りの筋肉が正しく使われなくなったりすることで、歯並びが乱れる可能性があるのです。
さらに、頬杖やうつ伏せ寝といった生活習慣も、同様に歯列のバランスを崩すリスクがあります。これらの癖は無意識・無自覚であることも多いため、家族など身近な人に確認してもらうと良いでしょう。
親知らずの萌出
永久歯の中で最も遅く生え始めるのが親知らずです。矯正治療を受けた時点では親知らずが生えていなかった場合、後から生えてくることで歯並びが乱れるケースもあります。
特に、親知らずが横向きに生えてきた場合、後ろから歯列を押す力が加わるため、一部の歯が歯列から飛び出してしまう可能性があります。矯正治療後にも親知らずが萌出するリスクがあるため、定期的にチェックを受けましょう。
矯正治療後に後戻りを起こしやすい人の特徴

歯並びの後戻りは、全ての人に起こるとは限りません。後戻りせずに、スムーズに理想の歯並びを得られる方も多いです。ここでは、後戻りを起こしやすい方の特徴について詳しく解説します。
歯を大きく移動させた人
歯を大きく移動させた人は、後戻りしやすいです。大きく動かしたということは、それだけ顎の骨の吸収と再生が行われたということです。矯正治療では顎の骨の吸収と再生を利用して歯を移動させますが、新しい状態で顎の骨が安定するまでに時間がかかるため、その間は歯が戻ろうとする力が働きます。
無理に部分矯正を選択した人
本来であれば全体矯正が必要だったにも関わらず、「見える部分の見た目だけが整えば良いから」と部分矯正を選択する方もいます。この場合、全体的な歯並びのバランスが取れていないため、後戻りのリスクが高まるでしょう。
前歯部分だけの歯並びの問題に見えても、噛み合わせを整えるためには奥歯の位置調整が必要です。また、前歯部分の歯並びの乱れの原因が、奥歯の位置関係にあることも考えられます。
このような場合に部分矯正で治療しようとすると、歯列全体に負担がかかって後戻りに繋がる可能性があるのです。
自己管理が苦手な人
リテーナーの装着時間を守れなかったり、通院を後回しにしたりといった自己管理ができていないケースも、後戻りを引き起こすかもしれません。自己管理が苦手な人は、意識的にスケジュール管理をし、治療後も歯科医師の指導に従うことが大切です。
また、取り外しができないリテーナーを選択するなど、後戻りを防ぐための方法を考えるようにしましょう。
矯正治療後に後戻りを起こしたときの対処法

後戻りが起こった場合、適切な対処を行わなければ歯並びがより悪化する場合があります。まずは、歯科医師による診断を受け、適切に対処することが大切です。
ここでは、後戻りが起こった場合の一般的な対処法について解説します。
歯科医院で状態を確認する
後戻りが起きているかどうか気になったときは、まずは矯正治療を担当した歯科医師に相談してください。後戻りが少なく、リテーナーを再調整または新調するだけで対応可能な場合もあります。
一方、後戻りが大きく、リテーナーの調整だけでの改善が困難な場合には再矯正が必要となります。どの方法で対処するか、歯科医師と相談しましょう。
リテーナーを調整・再装着する
軽度の後戻りであれば、リテーナーの使用を再開したり調整したりすることで対処できる可能性があります。また、取り外し可能なリテーナーを使用している方の場合は、装着時間を見直すことも大切です。
再矯正を検討する
リテーナーの調整などだけでは対処しきれないほど後戻りが進んでいる場合には、再度矯正治療を行う必要があります。再矯正の期間や回数は、後戻りの程度によって異なります。軽度な後戻りでは数週間から1~2か月程度で改善が見込めますが、重度になると半年以上治療が続く可能性もあるでしょう。
矯正治療後の後戻りを防ぐためには

ここまで、後戻りが起こる原因やなりやすい人の特徴を紹介してきました。これから紹介する予防法を実践すれば、後戻りを避けられる可能性を高められるでしょう。
リテーナーを適切に使用する
後戻りを防ぐためには、リテーナーを適切に使用することが大切です。取り外しが可能なものの場合、リテーナーは治療後すぐは1日20時間以上装着しましょう。食事や歯磨き以外の時間は装着することを意識してください。
噛み合わせや生活習慣を見直す
噛み合わせが悪いと歯に継続的に異常な力がかかりやすくなり、後戻りしやすくなります。就寝中の歯ぎしりや食いしばり、頬杖などの癖も、歯に力を加える原因となるでしょう。
こうした習慣は無意識に行っていることも多いため、改善するためには専門のトレーニングなどが必要になるかもしれません。家族に指摘されたり自分で気づいたりした際には、舌の使い方のトレーニングなどで改善を図ると、歯にかかる力のバランスを整え、後戻りの予防に役立ちます。
定期的に歯科検診を受ける
後戻りの予防・早期発見に役立つのが、定期的な歯科検診です。検診では、歯並びの変化だけではなく、噛み合わせや歯の周りの状態もチェックされます。気になる方は歯科医師と相談し、必要に応じてリテーナーの調整や再装着をしてもらいましょう。
まとめ

矯正治療によって整えた歯並びも、後戻りが起こることで元の状態に近づくケースがあります。後戻りの原因は多岐にわたりますが、特にリテーナーの適切な使用と生活習慣の見直しが重要です。
原因を理解し、適切なケアを続けることで、美しい歯並びを長く維持できます。リテーナーの正しい使用や生活習慣の見直しを心がけましょう。
矯正治療を検討されている方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯や歯周病治療だけでなく、小児歯科や矯正歯科、ホワイトニング、マタニティ歯科などさまざまな診療に力を入れております。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。