こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
子どもの歯並びを整える小児矯正は、見た目を改善できるだけではなく、将来の虫歯や歯周病のリスクを減らすこともできるため、近年注目されています。しかし、治療が終わった後に歯が元の位置に戻る現象、いわゆる後戻りが起こることもあります。
後戻りはさまざまなことが原因となって発生するため、後戻りの原因をしっかりと理解し、対策を講じることが重要です。
本記事では、小児矯正後に起こる後戻りの原因や予防法、そして後戻りが起きた場合の対処法について、わかりやすく解説していきます。
後戻りとは
後戻りとは、矯正治療によって整えた歯並びが治療前の状態に戻る現象を指します。矯正治療を受けた直後は、まだ歯が完全に安定しておらず、動きやすい状態となっています。そのような状態で矯正装置を外すと、歯に力がかからなくなり、元の歯並びの状態に戻っていくことがあるのです。
後戻りを防ぐためには、保定装置（リテーナー）適切に使用することが大切です。
後戻り予防に使用するリテーナーとは
リテーナーとは、矯正治療後に歯並びが元の位置に戻らないよう支える装置のことです。矯正治療によって歯が理想の位置に移動しても、周囲の組織（骨や歯ぐき）は歯の移動にすぐには適応しません。
そのため、矯正治療で動かした歯を保持し、安定させる保定期間が必要なのです。リテーナーを装着することで、新しい歯列が定着しやすくなり、後戻りを防ぐ効果が期待できます。
リテーナーには、取り外し可能なものと固定式のものがあります。固定式リテーナーは、名前のとおり取り外しができないため、清掃が難しく、虫歯や歯周病のリスクが高まる点がデメリットです。しかし、装着時間に左右されず保定し続けられるので、後戻りを抑える効果は高いといえるでしょう。
取り外し可能なものは、口腔ケアや食事の妨げになりませんが、装着時間の管理が必要になります。
保定期間とは
小児矯正のあとは、保定期間を設けることが多いです。保定期間とは、歯を正しい場所に固定し、後戻りを防ぐための期間です。この期間には、保定装置（リテーナー）の使用が不可欠です。
保定期間は、一般的には矯正期間と同程度の長さです。例えば、矯正期間が2年なら2年間の保定期間を経て、理想的な歯並びが定着します。お子さまの成長状態や顎の骨の状態などによって変動することもあるので、歯科医師に確認しておきましょう。
小児矯正後に後戻りが起こる原因
小児矯正は大人の矯正治療とは異なり、子ども特有の原因によって後戻りが起こることもあります。小児矯正後に後戻りが起こる主な原因を確認していきましょう。
成長によって歯並びが変わるから
子どもの歯並びは成長に伴って変化していきます。特に、乳歯から永久歯へと生え変わる時期は、歯の向きや位置が不安定になりやすいです。
お子さまに矯正治療を受けさせる場合は、歯やあごの成長なども考慮する必要があります。
リテーナーの装着時間が不足しているから
リテーナーにはさまざまな種類がありますが、歯に直接装着するワイヤータイプや、取り外して洗浄できるマウスピース型があります。取り外しができるタイプのリテーナーを使用している場合、リテーナーの装着時間が不足していると、後戻りの原因になる可能性が高いです。
リテーナーは、1日20時間以上装着するよう指示されるのが一般的なので、これを守るようにしましょう。徐々に装着時間を短縮していくケースが多いですが、歯科医師の指示を守ってリテーナーの装着を続けるようにしてください。
悪い癖が続いているから
口周りの習癖も、矯正後の歯並びに影響を与える可能性があります。口周りの習癖とは、例えば、舌で前歯を押す癖や口で呼吸する癖などが当てはまります。これらの癖は、特に矯正治療が終わった直後の歯列が安定していない時期には、大きな影響を与えるかもしれません。
小児矯正後の後戻りを防ぐために大切なこと
後戻りは必ず起こるものではありません。矯正後に適切なケアをすれば、あ予防することが可能です。ここでは、小児矯正後の後戻りを防ぐために大切なポイントをご紹介していきます。
保定装置（リテーナー）を正しく使い続ける
保定期間中は、歯の位置を固定するためにリテーナーと呼ばれる保定装置を使いますが、歯科医師の指示に従って、適切にリテーナーを使用することが大切です。使い方が不適切であったり装着時間が短かったりすると、歯は少しずつ元の位置に戻ろうとします。
特に、治療後数か月間は後戻りが起こりやすいといわれています。1日20時間以上は装着するように心がけましょう。
悪い癖を改善する
指をしゃぶる、舌で歯を押す、爪を噛む、口で呼吸する、頬杖をつくなどの悪い癖は、歯並びや噛み合わせに影響を与えることがあります。そのため、後戻りが起こらないようにするには、日頃の癖を改善することも重要です。
歯科医院によっては専門的なトレーニングを受けられる場合もあります。まずは歯科医師に相談してみましょう。
定期的に歯科検診を受ける
矯正終了後は、定期的に歯科検診を受け、歯並びの変化や噛み合わせを歯科医師にチェックしてもらいましょう。そうすることで、後戻りだけではなく、虫歯や歯周病などの早期発見にもつながります。
また、検診と合わせてプロフェッショナルクリーニングを受ければ、普段の歯磨きでは落としきれない汚れを落としてもらえます。後戻り予防の観点からも、さまざまなトラブルを予防するためにも、定期検診を怠らないようにしましょう。
小児矯正後に後戻りを起こしたときの対処法
矯正後に後戻りが起こったときは、原因を突き止め、早期に対処することが重要です。ここでは、小児矯正後に後戻りを起こしたときの対処法について解説します。
歯科医師に相談する
もし後戻りに気づいたら、自己判断で対応しようとせず、できるだけ早く矯正治療を受けた歯科医師に相談することが重要です。早めに対応することで治療範囲や期間を最小限に抑えられるため、何か気になることがあればすぐに歯科医院に連絡してみましょう。
リテーナーを調整・再装着する
保定装置の装着を怠ったり、破損・不適合などで正しく使えていなかったりした場合は、再度リテーナーを作り直す必要があります。大人と比べて子どもは顎の成長が途中段階であるため、後戻りが起きやすく、以前使用していたリテーナーが合わなくなるケースも少なくありません。
後戻りを防ぎ、歯を正しい位置に戻すには、噛み合わせや顎の状態に合わせたリテーナーが必要です。歯並びが乱れている場合には、追加の矯正治療が必要になることもあるでしょう。
再矯正を受ける
後戻りがかなり進んでいる場合には、部分的または全体的な矯正が再度必要になることがあります。再矯正の必要性や、後戻りの改善にかかる期間、費用などは、後戻りの程度によって異なります。歯科医師に相談したうえで判断するようにしましょう。
まとめ
矯正治療を受けた後、リテーナーを正しく装着していなかったり口周りに癖があったりすると、後戻りが起こることがあります。後戻りを防ぐには、リテーナーの正しい使用や悪習癖の改善、定期検診での経過観察が不可欠です。
また、後戻りが起きたとしても軽微であれば、リテーナーの調整で対応できるケースもあります。後戻りが進んで再矯正が必要になると、より時間や費用がかかることになります。日頃から予防につとめるとともに、後戻りが生じたときにはすみやかに歯科医師に相談することが大切です。
ぜひ本記事を参考に、小児矯正後の歯並びを維持していきましょう。
小児矯正を検討されている方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯や歯周病治療だけでなく、小児歯科や矯正歯科、ホワイトニング、マタニティ歯科などさまざまな診療に力を入れております。ホームページはこちら、WEB予約も受け付けておりますので、ぜひご活用ください。