歯茎が痛いと一口に言っても、問診すると様々な症状があり、治療方法も違います。
主な症状は次の通りです。
- 「歯磨きをすると歯と歯の間の歯茎から出血がある」、「歯茎がなんだかじんわり、むず痒い…」は歯周病が主な原因であり、こちらはクリーニングで改善する事が出来ます。
- 「歯の根元部分の歯茎を押すと痛い!」「歯茎から膿が出ている!」は、歯周病の症状か、もしくは根尖性歯周炎といい、歯の根っこの部分に膿が溜まっている状態であり、歯医者で根管治療が必要になっていきます。
- 「親知らず周辺の歯茎が痛い…」は、智歯周囲炎が原因で起こる痛みである可能性が高いです。投薬で痛みを軽減する事も可能ですが、基本的には抜歯する事をお勧めしています。
どの症状でも、歯医者さんで治療を受けないと改善する事はありません。
そのまま放置するとどうなってしまうのでしょうか?
「歯磨きをすると歯と歯の間の歯茎から出血がある」、「歯茎がなんだかじんわり、むず痒い…」
歯周病が主の原因とお伝えしましたが、歯周病とは炎症の病気になります。
- 歯がぐらつく
- 歯茎の出血
- 口臭
- 朝起きた時、口の中のネバつき
- 歯茎が腫れている
- 歯茎が以前より下がった
これは歯と歯の間に繁殖した細菌が、歯茎や歯を支える骨を溶かしてしまうもので、歯が十分に磨けていない事で歯垢(プラーク)が溜まる事が原因です。
解決方法は、歯医者さんで歯のクリーニングを行う事です。歯垢を除去し、専用の器具を用いて普段清掃が行き届かなかった部分を隅々まで歯科衛生士がお掃除します。
もし歯医者さんに行かずに放置してしまうと最悪の場合、細菌がどんどん歯茎や骨を溶かしていき、日々の食事も噛むことがままならない、血が出るだけではなく膿も出てくるようになりかなり強い口臭を発生します。
こうなると歯周外科治療という手術を行う必要が出てくるようになってしまいます。
そんな状態になるなんて嫌ですよね?
「歯の根元部分の歯茎を押すと痛い!」「歯茎から膿が出ている!」
この痛みは前述でお伝えした歯周病の可能性もありますが、来院される患者様の多くが歯の根っこの部分の先に膿が溜まっていることで引き起こすものである可能性が高く、クリーニングではなく歯の治療が必要になっていきます。
これはどのような歯の中でどのような状態になっているのでしょうか?
治療していない歯の場合
最初は歯がしみるなどの症状だったものをそのまま放置した結果、最下層の歯髄まで細菌が及び神経が死んでしまう状態を言います。
これを歯髄壊疽(えそ)と言い、更にこのまま放置すると歯の下の根っこの先に炎症が起き、膿が溜まっていくようになります。
解決方法は、専用の器具を用いた感染根管治療を行うことで、感染した歯髄(神経)を取り除く治療を行うことです。
これは治療期間が長く、暫くの間は歯医者さんに通っていただく必要があります。
してはいけないことは、ご自身で膿を出すという行為です。
膿を出すことで症状が改善すると思う方もいらっしゃるかと思いますが、根っこの先の炎症を治療しない限り膿はどんどん出てきます。症状はどんどん悪化するでしょう。
このような状態にならない為にも、「最近、歯がしみるな…」という時点で、歯医者さんに診てもらいましょう。
1~数回で治療が終わるケースになり、歯も長持ちするでしょう。
神経を取ってしまった歯は、神経のある歯に比べてとても脆いものです。
小さな気づきを見逃さず、すぐに歯医者さんに行きましょう。
「親知らず周辺の歯茎が痛い…」
親知らず付近の痛みは智歯周囲炎という状態になっているかもしれません。
これは、親知らずがまっすぐに生えてこないせいで、日々の歯ブラシでは届きにくい隣の歯との隙間の間に汚れが溜まりやすくなることで炎症を起こす事を言います。
解決方法は、歯医者さんでクリーニングと投薬で痛みを軽減する事が出来ますが、痛みを伴う親知らずの場合、基本的には抜歯をお勧めしています。
親知らずを抜くのに不安な方も多いと思います。
当院では、様々な生え方の親知らずの抜歯を経験している口腔外科の認定医が在籍しておりますので、安心してご予約下さい。
歯を抜く技術もそうですが、何より不安な患者様への診療中の声掛けや時間がかかる抜歯のペース配分等、患者様の心理に寄り添うよう配慮しています。
歯茎が痛い!はすぐに歯医者さんへ行きましょう。
改めてお伝えしますが、歯や歯茎が痛いという症状は歯医者さんに行ってみてもらわない限り治りません。むしろ悪化の一途を辿るでしょう。
歯に痛みがあるわけじゃないけど違和感がある…、そのくらいでも構いません。
どんな状態になっているかは歯科医師が診断しますので、まずは歯医者さんに予約をしましょう!