顎関節症(がくかんせつしょう)とは
顎関節症(がくかんせつしょう)は虫歯および歯周病に次ぐ第3の歯科疾患と言われ、学校歯科検診にも取り入れられているメジャーな疾患です。
顎関節症という疾患が有名になったのは1956年以来で、病気として認知されたのは虫歯および歯周病と比較すると近年の話です。
そのため、顎(あご)に痛みや違和感を感じた際、どこに訪院するべきか悩む方もおられますが、概ね「歯科口腔外科」あるいは「歯科」での訪院で大丈夫です。
一般歯科における治療が困難であると判断された場合には大学病院への紹介となりますので、かかりつけの歯科医院での相談で問題ありません。
可能であれば標榜に「歯科口腔外科」と掲げていたり、歯科口腔外科出身の歯科医師のいる歯科医院を訪院される方が、顎関節に対する知識が豊富な医師が在籍していると思われるので、的確な指示あるいは治療を受けることができると思われます。
顎関節症の症状は開閉口時のお痛みが多く、以下に挙げた部位に痛みが走ることが多くあります。
- 耳の下
- こめかみ
- 側頭部
- 下顎角(下顎の後端)
- 耳の穴の前
- 首の深部
顎関節症の病態
- 1.咀嚼筋痛障害
- 口の開閉時に、筋肉に痛みを感じる。
- 2.顎関節痛障害
- 口の開閉時に、耳の中や耳の周辺に痛みを感じる。
- 3.関節円板障害
- 開口時に音がなったり、お口がしっかり開かない
- 4.変形性顎関節症
- 骨の変形および関節に損傷があるため、咀嚼時に「ジャリジャリ」音がする。
レントゲンで顎関節の形態が認められても、上記症状を有しない場合は顎関節症とは診断でされません。
顎関節症の治療法
当院ではスプリントを用いた治療を主に行いますが、お痛みへの対処および原因除去のためのアプローチとして投薬治療および生活指導も行います。
お痛みに対して
消炎鎮痛剤を服用いただき、お痛みをコントロールします。生活指導
顎のお痛みは習癖(頬杖や猫背)などが関係していることがあります。また、普段の生活の中で意識的に歯を食いしばらないように注意することで、症状を抑えることが可能な場合があります。
スプリント治療
スプリント(マウスピース)を用いて顎関節への力負担をコントロールします。就寝中に使用して、無意識な食いしばりで生じる顎関節および筋肉への負担を軽減させます。 保険が効く場合もあります。
外科治療
関節に明らかな異常が認められ、当院では改善が困難な場合、大学病院などにて関節を切開して治療する外科手術が行われることもあります。 顎関節症の状態によっては、病歴やこれまでの治療経過などの診療情報を専門医および専門性の高い高次医療機関へ提供し、高度に専門的な治療を行うことが必要になります。顎関節症セルフチェック
- 左右どちらかの噛みやすい方で咀嚼し、食事時以外でも噛む癖がある
- 力仕事など、食いしばる機会が多い
- 肩および首が痛い
- 顎が動かしにくい
- 口を開けると、顎が引っかかるような感じがする
- 口が開けづらい
- 口開閉時に音がする
- 耳、耳の前方、耳の下、肩あるいは背中が痛む
上記項目で4個以上チェックのある方は要注意です、ご心配な方は一度当院へご相談下さい。