ホワイトニングとは
歯のホワイトニングとは「歯を白くする」という意味で使われていますが、広義で言えば被せ物、詰め物やラミネートベニアなどで白い歯の修復材を治療部位に処置することもホワイトニングに分類されます。
基本的には歯科で行うホワイトニングは、歯を削るものではなく、薬剤や光を利用して白くする方法です。
さらに、歯科医院でのPMTC(プロが行う歯のクリーニング)もホワイトニングに含まれます。
ホワイトニングした歯の白さが保たれる期間は、施術方法、お手入れ方法や歯の質などによって異なります。
また、ホワイトニングした歯は、ホワイトニングを行う前よりも着色しにくくなるという報告もあり、施術により歯の健康を保つことができるという期待も持てます。
当院の自由診療メニューにおける「ホワイトニング」では、歯を漂白するというブリーチングとして位置づけ、歯そのものを白くする施術を行っています。
歯を白くする
加齢による歯の黄ばみや自身の歯の色をもう少し明るくしたい方などに有効なのが、当院の自由診療メニューの1つとして挙げられている「ホワイトニング」で歯そのものを白くする施術です。
施術方法には、以下のような3種類があります。
当院で実施する光を用いるオフィスホワイトニング、ご自宅でマウスピースと薬剤とを用いて行うホームホワイトニング、この両方を合わせて行うデュアルホワイトニングがあります。
過去に治療した歯や外傷により変色した歯を白くするには、補綴物(詰め物や被せ物)による治療が有効です。
天然の歯の質感ならびに色目が近く、汚れが着きにくいセラミックが、補綴物として最適です(自由診療となります)。
セラミック歯は陶器のお茶碗などと同じ素材から成形されており、着色しにくく汚れが落ちやすいという特徴を持っています。
また、付け爪のように薄い補綴を変色部分の歯に貼り付けて覆い隠していますラミネートベニアという治療法でもセラミックを用いています。
これらの施術は、病気などの影響による着色や治療痕に由来する黒ずんだ歯などに対しても有効な治療です。
ホワイトング(オフィスおよびホーム)の施術が適用できないケース
- 特殊な薬剤が原因で黒ずんでしまった歯(テトラサイクリン)
※白くなりにくいですが、明るくすることは可能です。 - 呼吸器疾患をお持ちの方
- 光線過敏症をお持ちの方
- 先天性の無カタラーゼ症の方
- 本施術予定の3週間以内にフェイシャルエステおよび脱毛をされた方
ホワイトニングの種類
ホームホワイトニング
医院で施術するのではなく、ご自宅などにおいてご自身で行っていただくホワイトニングです。 まず歯面清掃や歯茎の状態などのチェックを行い、患者様の歯並びに合ったマウスピースを作製します。 ご自身で作製したマウスピースに薬剤を塗り、それを歯に装着した状態で就寝(少なくても4時間を継続)していただき、歯の漂白を行っていただく方法です。 ご自身で行っていただくホワイトニングであるので、通院する必要は基本的にありませんが、定期的な効果の確認や口腔環境のチェックなどは受診していただいております。 このホワイトニングは、ご自身が期待している白さになるまで繰り返し行います。オフィスホワイトニング
歯科医院でプロが実施するホワイトニングです。 高い漂白効果を有し光と反応する薬剤を歯の表面に塗り、専用の装置の光を薬剤塗布部分に照射して歯を漂白をします。 ご希望される特定の1本の歯から複数本までの歯を、短時間で漂白したい場合に適しています。 しかし、この漂白効果の持続期間はホームホワイトニングと比較すると短いことが多くため、当院としてはオフィスホワイトニングのみの単体でのホワイトニングをお薦めしていません。デュアルホワイトニング
歯科医院で実施するオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングを合わせて行う方法です。 高い即効性を有するオフィスホワイトニングを実施することによる施術直後から効果を実感できることとホームホワイトニングによる白さを深めて維持する効果との両方を得ることができます。オフィスホワイトニングの手順
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- Step1色あわせおよびカウンセリング
- 目的歯と色味サンプルであるシェードタブとの比色を行うシェードテイキングならびに口腔内のお口の中の状態を確認するための撮影を行います。 この撮影した写真や鏡などを見ながら、患者様がどの程度まで白くしたいのかをご相談の上で決めます。
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- Step2歯の表面をキレイにします
- 歯面研磨剤を使って歯の表面をキレイにし、塗布する薬剤が歯に直接作用する効果を高めます。
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- Step3リップクリーム塗布
- 専用の装置により塗布した薬剤に対して紫外線を照射するので、口唇にSPF15の日焼け止め成分入りのリップクリームを塗ります。
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- Step4目および顔等の保護
- 目やお口の周辺を遮光保護し、歯だけに紫外線が照射できるようにします。
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- Step5歯肉(歯茎の保護)
- 歯茎に対しても、紫外線から保護する薬剤を塗布します。
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- Step6歯面処理
- 対象とした歯の表面にホワイトニング効果を向上させる薬剤を塗布します。
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- Step7ホワイトニングジェル塗布
- 対象とした歯にホワイトニングジェルを塗布します。
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- Step8光照射
- 紫外線照射装置であるコスモブルーの紫外線を含んだ光を対象とする歯に照射し、歯を白くします。
1回の光照射は6~8分とし、歯が白くなる状態を確認しながら3回程度繰り返します。
当院のホワイトニングの特徴
薬剤
炭酸水素塩配合のホワイトニング剤
国内で最新の認可を受けているこのホワイトニング技術は、効果が高く安全性に非常に優れています。
機材
管理医療機器クラスⅡの承認を受けた照射器
この照射器は有効性と安全性が高く紫外線をほとんど含まない波長範囲のため、肌の日焼けリスクを回避することができます。
ホワイトニングのQ&A
Q.どのようにして歯を白くするのですか?
A.歯科医院で行う天然の歯を白くする方法には、3種類あります。
①クリーニングによって歯の着色を除去する方法:ステインや歯の汚れを特殊な歯科用装置で除去することで白くします。
②歯に染み付いた着色を除去する方法:専用の薬剤による漂白効果を使って白くします。
③エナメル質を曇りガラスのような状態にして白くする方法:歯の表面にあるエナメル質は本来半透明ですが、このエナメル質の透明度合いを下げて白くします。
Q.ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングとはどちらの方法が歯をより白くしますか?
A.短期間で白くしたい方にはオフィスホワイトニングがお勧めで、施術当日に白くなった護ご自身の歯を実感していただけます。 一方、ホームホワイトニングでは、徐々に歯が白くなるので時間がかかりますが、どの程度まで白くするかは限界はありますがご自分で決めることができます。 すなわち、時間的に急いで歯を白くいたい方にはオフィスホワイトニング、白さの持続期間の長さおよび白さを深めたい方にはホームホワイトニング、白い歯を短期間で、白さの持続時間が長くさらにもっと白くしたい方にはホームおよびオフィスクリーニング療法を組み合わせててご利用ください。
Q.ホワイトニングではどんな歯でも白くなりますか?
A.天然歯であれば、ホワイトニング施術で黄ばみが取れて白くなっていきますが、治療した歯で詰め物や被せ物などをした歯はホワイトニングで白くなりません。 また、テトラサイクリン歯などの抗生物質の影響により着色してしまった歯なども、ホワイトニング施術を行っても大きく改善できないことがあります。
Q.幼少期から歯の表面が縞模様になっているのですが、ホワイトニングで表面が均一になりますか?
A.テトラサイクリン菌などによる影響が考えられます。
もしテトラサイクリン菌の影響だとすると、その症状が軽度であればホワイトニングで改善させることが見込めます。
しかし、症状が中等度以上になると、完全な改善は難しいので、その他の改善方法を検討する必要があります。
Q.ホワイトニングに適正な年齢や制限などはありますか?
A.お子様など歯が発達しきっていない時期には、ホワイトニングの施術はできません。
また、妊娠中、授乳中、光線アレルギーおよび無カタラーゼ症などをお持ちの方には、ホワイトニング施術を適用できないという制限が存在します。
そのほかに呼吸器疾患をお持ちの方、強い嘔吐反射を有する方、強い知覚過敏をお抱えの方や直近にフェイシャルエステを受けられた方などは、施術できない場合がありますので注意下さい。
Q.ホワイトニングは身体に害のあると聞いたのですが、本当ですか?
A.ホワイトニングに用いる薬剤は、過酸化水素および過酸化尿素が主成分となります。
これらの化学成分は、その濃度が高いと皮膚や粘膜などがやけどの症状を引き起こす恐れなどがあります。
しかし、歯科で使用するもの薬剤は過酸化水素で35%程度、過酸化尿素で10%以下であり、人体に害を及ぼさない濃度を保って使用しています。
また、オフィスホワイトニングで用いる紫外線による施術では、歯肉や唇を保護して施術しないとただれることもあります。
そこで、オフィスホワイトニングで用いる紫外線による施術では必ず、歯科衛生士による皮膚の紫外線プロテクトであるマスキングを行った上で薬剤の塗布、光照射を行っています。
Q.ホワイトニング施術は、痛くないですか?
A.オフィスホワイトニングの施術には、痛みはありません。
しかし、施術対象の歯に虫歯があるあるいは歯に亀裂が入っていた場合には、痛みが出ることがあります。
ホワイトニング施術前に、対象の歯の状態検査を行いますので、虫歯などの問題点を発見できます。
もしホワイトニング対象の歯に問題が発見された場合、ホワイトニング施術は中止することとなり、虫歯および亀裂の治療が必要となります。
また、前述の歯のトラブルに起因する治療中の痛み以外に、ホワイトニング施術を行った翌日に歯がしみることがまれにあります。
Q.どのくらいの期間あるいは回数で歯は白くすることができますか?
A.歯の直度合いなどによる個人差はありますが、オフィスホワイトニングでは施術当日から、ホームホワイトニングでは2〜3回目から効果を感じていただくことができます。 オフィスおよびホームホワイトニング施術のどちらも2〜3ヶ月を1つの区切り(クール)として、ご希望の白さに到達するまでに数クールを行うこと傾向が多くあります。
Q.ホワイトニング施術後、白さを保つために自分でできることはありますか?
A.コーヒー、カレーおよびワインなど着色性の強い食物の飲食を控える、喫煙習慣をやめることは白さをキープするための大きなアシストになります。 しかし、日常生活上完全にこれらを絶つことは難しいと思います。 そこで、定期的(3〜4ヶ月に1度程度)な歯のクリーニングに来院いただき着色汚れを落とすことで、ホワイトニングの効果を保つお手伝いすることができます。 また、ご自身でチェックして歯の色が気になり始めた頃に、ホームホワイトニングを再開することでもう一度白さを取り戻すことも可能となります。
Q.市販の歯磨き粉でも、歯を白くすることができますか?
A.日本で市販されている歯磨き粉には、歯科で使っている歯を白くする化学成分である過酸化水素および過酸化尿素が薬事法などの規制により含まれていません。 そのため市販歯磨き粉によるホワイトニング効果とは、研磨剤による着色汚れの除去や歯の表面を研磨剤で削ることで白くしています。 このように歯科医院で行うホワイトニング施術と市販歯磨き粉によるホワイトニングでは薬理効果が異なるため、その効果も異なります。 市販歯磨き粉では一時的には白くなることありますが、歯を研磨してしまうこともあるので、注意が必要です。