こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
前歯の見た目を整える方法のひとつに「ラミネートベニア」があります。歯を動かすことなく歯の表面を少しだけ削るだけで、歯の色や形を改善できます。ラミネートベニアに挑戦してみたいけど「自分はラミネートベニアができる歯並びなのか」「一体どのような治療をするのか」と不安を感じる方もいらっしゃると思います。
今回は、ラミネートベニアの治療の流れや、どのような方がラミネートベニアに向いているのかなどを解説します。
ラミネートベニアとは
ラミネートベニアとは、歯の表面を0.3〜0.5mm程度削り、セラミックでできた薄い板を貼り付けることで見た目を整える治療方法です。主に上の前歯の審美治療(見た目をよくする治療)で用いられます。ラミネートベニアは、欠けてしまった歯を修復する目的や歯と歯のすき間をなくす目的で行われます。
歯を削って見た目を整える方法には、ラミネートベニア以外ではセラミッククラウンが有名です。ラミネートベニアとセラミッククラウンの大きな違いは、削る歯の量です。
セラミッククラウンは、歯全体にセラミックでできた被せ物をするので、歯を全体的に大きく削ります。
一方、ラミネートベニアは表面しか削りません。ネイルチップのようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。
ラミネートベニアのメリット・デメリット
では、ラミネートベニアにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。以下、それぞれ解説します。
ラミネートベニアのメリット
ラミネートベニアのメリットは、以下のとおりです。
・天然の歯に近い
・短期間で治療が完了する
・金属アレルギーでも治療できる
ラミネートベニアで使用するセラミックは、天然の歯に近い素材でできていることが特徴です。虫歯治療をしたときや歯が欠けたときによく使用される「レジン」は、プラスチックのため時間の経過とともに変色します。
しかし、ラミネートベニアは劣化や着色が起こりにくい素材なので、定期的にお手入れすることで美しい状態を保つことができるのです。2回程度の通院で治療が完了するので、通院の負担も少なく済みます。ラミネートベニアは金属を使用しない治療なので、金属アレルギーの方でも治療を受けることができます。
ラミネートベニアのデメリット
ラミネートベニアのデメリットは、以下のとおりです。
・ラミネートベニアを付けられない歯がある
・歯ぎしりで割れることがある
・歯を削る必要がある
ラミネートベニアをつけたい歯に、すでに被せ物がついている場合や歯が大きくねじれて生えている場合は、ラミネートベニアがつけられないことがあります。ラミネートベニアは強い素材でできていますが、歯ぎしりで前歯に強く負担がかかったときや硬い食べ物を噛んだときの衝撃で割れることがあるのです。その時は、ラミネートベニアを作り直す必要があり、再度費用がかかります。
ラミネートベニアをつける際に削る歯の量はごくわずかですが、健康な歯を削ることに変わりありません。一度削った歯は二度と元に戻すことはできないので、歯を削りたくない場合は、ラミネートベニアはさけたほうがよいでしょう。
歯を削らず歯列を整えるには歯列矯正、また歯を白くしたいときはホワイトニングなどの方法で対応できることがあります。
ラミネートベニアが向いている方
次は、ラミネートベニアが向いている方を解説します。
以下は、あくまで例としてあげています。同じような症例でも、実際に歯科医院を受診しなければラミネートベニアが向いているかどうかはわかりませんので、目安として考えてみてください。
すぐに歯の色や形を整えたい方
ラミネートベニアはセラミックの板を表面に貼り付けるだけなので、手軽に色や形を変えることができます。セラミックの色のトーンは選べるので、理想の歯の白さにすぐ近づけます。
ホワイトニングでは、理想の白さになるまでは数か月かかるので、とにかくすぐに色や形を変えたいという方に向いているでしょう。
歯のサイズが小さい方
生まれつきほかの歯に比べて小さい歯があり、小さい歯が原因で歯のすき間が目立つ場合、ラミネートベニアで歯を大きく見せることで、見た目を改善できることがあります。歯列矯正では、歯並びを改善できても歯の大きさまでは変えられないため、歯のサイズが小さい方は、ラミネートベニアのほうが適している場合があります。
しかし、ラミネートベニアで改善できる場合とそうでない場合があるため、気になるのであれば歯科医師にご相談ください。
軽度なすきっ歯を治したい方
軽度なすきっ歯や、歯と歯の小さなすき間が気になる場合は、ラミネートベニアで対応できることがあります。歯列矯正ですきっ歯を治す場合、矯正器具がついているわずらわしさや治療が長期間になることが予想されます。
しかし、ラミネートベニアであれば、数回の治療ですきっ歯を目立たなくできるというメリットがあります。
ただし、大きく歯を動かさなければすきっ歯が改善されないと判断された場合や、噛み合わせに問題がある場合は、歯列矯正をすすめられることもあるでしょう。ラミネートベニアは、全ての方に対応できる治療方法ではないことを覚えておきましょう。
ホワイトニングをしても効果が出なかった方
ホワイトニングで思ったような効果が得られなかった方や歯に白い斑点(ホワイトスポット)がある方、神経が死んでいる歯がある方は、ラミネートベニアが効果的なことがあります。ホワイトニングは、もとの歯の状態によって白くできる範囲に限りがある場合や神経が死んでいる場合、ホワイトスポットがある場合には薬剤が効きません。
しかし、セラミックを歯の表面につけるラミネートベニアなら、こうした症状があっても歯を白くすることができます。
ラミネートベニアの治療法
つづいて、一般的なラミネートベニアの治療の流れをご紹介します。
患者さまの歯の状態やクリニックによって治療の流れや通院回数などは異なりますが、大体2〜3回の通院が必要でしょう。治療期間は、2週間から1か月程度です。
1. 診察をする
全ての方がラミネートベニアをできるわけではないので、口全体の状態やレントゲン撮影などを行い、歯科医師の診察によってどのような治療が適しているか判断します。
患者さまの歯のお悩みやご希望をうかがいながら、治療計画を立てます。
2. 歯を削る・型取りをする
ラミネートベニアでの治療ができると判断され、患者さまご自身も納得ができれば、治療に移行します。
歯にセラミックシェルをつけるために歯の表面を削ります。削る量は0.3~0.5mmとわずかなため、削る際の痛みはほとんどありません。歯を削り終わったら、セラミックシェルを作るための歯の型取りを行います。セラミックシェルの作製には時間がかかるため、セラミックシェルが完成するまで数日間は仮歯で過ごします。
3. セラミックシェルを作製する
2でとった歯型や患者さまからうかがったセラミックのご希望の色をもとに、セラミックシェルの作製を行います。作製には1~2週間かかります。
4. セラミックシェルを装着する
最後に仮歯を外し、セラミックシェルを装着します。噛み合わせや色のトーンを確認し、満足できればすべての治療が完了します。
ラミネートベニアを長持ちさせるために、治療後も定期的に歯科医院でメンテナンスしてもらいましょう。
ラミネートベニアの費用
最後に、ラミネートベニアの費用について解説します。ラミネートベニアを作り直さなければいけない場合や作り直すタイミングもあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
費用相場は1本5〜15万円
ラミネートベニアの費用の相場は、1本5〜15万円といわれています。
ラミネートベニアは審美治療(見た目をよくする治療)のため保険が適用されません。また、ラミネートベニアが硬いものを食べた拍子に破損してしまった場合や、歯から外れてなくなってしまった場合などは、作り直すのに再び費用がかかります。
10年程度で作りかえが必要
ラミネートベニアは耐久性がよいとされていますが、人工物であるため時間の経過とともに少しずつ劣化します。ラミネートベニアの平均寿命は、約10~20年です。約10~20年を目安に作りかえましょう。
ただし、ラミネートベニアには寿命があるものの、長持ちできる方法があります。例えば、硬いものを食べるときはラミネートベニアがついている歯で噛まないよう注意したり、定期的に歯科医院で口の中をケアしたりすることをおすすめします。ラミネートベニアに何か異常があった場合の早期発見にもつながるでしょう。
まとめ
今回は、ラミネートベニアの治療の流れや費用についてご紹介しました。
短期間で治療が完了し、痛みを感じにくい治療方法であるラミネートベニアですが、デメリットも存在します。また、ラミネートベニアに向いている方やそうでない方がいるので、気になる方は歯科医師へご相談ください。この記事がご自身に合った治療方法を見つける際の参考になれば幸いです。
ラミネートベニアを検討されている方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。