こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。
被せ物や詰め物で使われる素材は数多くありますが、なかでもセラミックは天然歯に近い色味に調整しやすいため、美しく仕上がります。陶器のような素材で透明感があることも魅力でしょう。
今回は、セラミック治療では歯を削るのか解説します。歯を削るメリット・デメリットや、削る方法、削る量などもご紹介するので、セラミック治療を検討している方は参考にしてください。
セラミック治療では歯を削る必要があるのか
セラミックに限らず、特に被せ物をする際は土台となる歯を形成するために天然歯を削る必要があります。そのため、歯を削ることは特別な処置ではありません。
しかし、セラミックは陶磁器なので、銀歯と比較すると衝撃に弱く割れやすいです。セラミックで被せ物を製作する場合は、強度を保つために銀歯よりも厚く作る必要があるでしょう。
セラミックが厚くなるので、土台となる歯も多めに削る必要があります。
また、同じセラミックでも、治療内容によって削る量が異なります。虫歯が小さいときは削る量は少ないですが、虫歯が進行している場合は大きく削る必要があるでしょう。
歯並びを整えるためにセラミックを使う場合は、歯の向きや角度を調整するために多めに歯を削ります。
セラミック治療で歯を削るメリット
歯を削ることに不安を覚える方は多いでしょう。セラミック治療で歯を削るメリットはあるのでしょうか。
詳しく解説します。
被せ物や詰め物の適合性を高められる
虫歯が原因でセラミック治療を受ける場合は、虫歯を削って除去する必要があります。虫歯を除去しただけの状態では、土台が整っていません。
被せ物や詰め物を装着しても、適合性が低いため外れる可能性が高いでしょう。また、虫歯はきれいに広がるとは限りません。複雑な形状に広がっており、被せ物・詰め物の形状が複雑化する可能性もあるでしょう。
被せ物や詰め物の適合性を高めるために、歯を削って適切な形に整えます。歯を削ることで、すき間ができにくく歯にしっかりと密着するセラミックの被せ物・詰め物を製作できるのです。
被せ物・詰め物の寿命を延ばせる
セラミックに限らず、被せ物や詰め物の寿命は、歯との適合性に大きく依存します。適合性が高く、歯にしっかりと密着している被せ物・詰め物は、適切にメンテナンスを行えば長く使い続けられるのです。
特にセラミックは変形・破損しにくいため、10〜15年使用できるとされています。
セラミックを装着するためのスペースを確保できる
セラミック治療にはさまざまな種類がありますが、主に前歯の見た目を改善する方法としてラミネートベニアが挙げられます。ラミネートベニアは、歯の表面を薄く削ってセラミックの板を貼りつける治療です。
ラミネートベニアの厚みは0.4mm程度と非常に薄いですが、歯を削らずに装着すると歯の厚みが増すため違和感を覚えるでしょう。自然にラミネートベニアを装着するスペースを確保するために、歯を削る必要があるのです。
セラミック治療で歯を削るデメリット
セラミック治療を受ける場合は、銀歯と比較すると土台となる歯を大きく削らなくてはいけません。歯を削ることによって、どのようなデメリットがもたらされるのでしょうか。
削った天然歯はもとに戻らない
見た目が天然歯のように美しく、耐久性にも優れた人工歯もあります。
しかし、それでも天然歯に勝るものはありません。一度削ると天然歯が再びもとに戻ることはなく、削ることによって寿命も短くなります。
わずかな量でも、天然歯を削るデメリットは大きいといえるでしょう。
知覚過敏になるリスクが増す
歯を削るということは、神経を保護する層が減るということです。外からの刺激が神経に伝わりやすくなり、知覚過敏になるリスクが高まります。
歯の強度が低下する
大きく歯を削った場合、神経に達することもあるでしょう。神経を除去しなくてはならないケースも存在します。
神経を除去する際は、歯の内部に存在する血管も除去します。歯に栄養が届かなくなるので、歯の強度が低下するでしょう。
セラミック治療で歯を削る量
セラミック治療には、さまざまな種類があります。種類によって歯を削る量は異なります。
それぞれ確認しましょう。
セラミックインレー
セラミックの詰め物のことです。虫歯の範囲が狭く、大きく歯を削らなくてよい場合に行われる治療です。削る量は虫歯の状況によって異なりますが、被せ物と比較すると少ないです。
セラミッククラウン
セラミックの被せ物のことです。虫歯の範囲が大きく、詰め物では対応できない場合に行われます。
十分な耐久性を実現するために、ある程度の厚みが必要になります。そのため、歯を大きく削ることになるでしょう。セラミックインレーと同様に、虫歯の状況によって削る量は異なります。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、主に前歯の審美性を改善する治療です。前歯の表面を薄く削り、セラミックの薄い板を貼りつけます。
歯を削る量は0.3~0.5mm程度です。
セラミック治療で歯を削る方法
セラミック治療で歯を削る方法が気になる方もいるでしょう。セラミック治療にはいくつか種類がありますが、今回は虫歯治療後にセラミックの被せ物・詰め物を入れる場合を例に挙げて、セラミック治療で歯を削る方法・手順について解説します。
カウンセリングを行う
カウンセリングを行い、仕上がりのイメージを歯科医師と共有しましょう。セラミックの素材にはいくつか種類があるので、求める審美性や機能性を考慮して相談します。
歯を削る
歯科用のドリルやバーを使用して、歯を削って形を整えます。削り過ぎることがないよう、歯科用顕微鏡や拡大鏡を使用して作業を行うのが一般的です。
詰め物の場合は、歯を削る範囲は大きくないことが多いです。そのため、麻酔などは必要ないでしょう。
被せ物の場合、神経の近くを削ることもあるので、麻酔を使用する可能性があります。
型取りを行う
セラミックの被せ物・詰め物を製作するために、型取りを行います。上述しましたが、被せ物・詰め物の適合性は非常に重要なので、丁寧に行わなければなりません。
型取りの際に、被せ物・詰め物に使用する素材を決定します。型取りや決定した素材に基づいて、歯科技工士が被せ物・詰め物を製作します。
最終的な被せ物・詰め物が完成するまでは、仮歯を装着して過ごすのが一般的です。
被せ物・詰め物を装着する
完成した被せ物・詰め物を装着し、問題がないか確認します。噛み合わせなどを調整して歯科用セメントで接着したら、セラミック治療は終了です。
まとめ
天然歯のような白さや透明感を持つことから、セラミックを前歯の治療に選択する方も多いです。
耐久性があり虫歯が再発しにくく、白い状態を長く保てることもメリットでしょう。金属ではないため、金属アレルギーの方でも安心して使用できます。
セラミック治療で歯を削ると聞くと、不安に思う方がいるかもしれません。
しかし、歯との適合性を高められる、被せ物や詰め物の寿命を延ばせるなどのメリットも存在します。適切に歯を削ることで、美しいセラミックの被せ物・詰め物を長く使い続けられるでしょう。
土台となる歯の強度が低下する、知覚過敏になるリスクが増すなどのデメリットもあるため、治療後は定期的に歯科医院を受診することが重要です。セラミックや口腔内の状態を確認してもらい、必要に応じて噛み合わせを調整するなどの処置を受けましょう。
ご自宅でのメンテナンスと定期的な歯科検診で、セラミックを長く使い続けることができます。
セラミック治療を検討されている方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。