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インプラント周囲炎になったらどうしたらいい?放置するリスクとは?

インプラント周囲炎の説明

こんにちは。千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」です。

インプラント周囲炎は、インプラントの周りにある組織が炎症を起こした状態です。場合によっては、インプラントの喪失につながる可能性もあります。

今回は、インプラント周囲炎の原因や対処法、放置するリスクについて詳しく解説します。

インプラント周囲炎とは?

インプラント治療

インプラント周囲炎は、インプラントを囲む組織で発生する炎症性の疾患です。歯周病と似た細菌感染症で、インプラントの表面に付着したプラーク(歯垢)が主な原因です。

インプラントは、深い部分では骨と接しており、浅い部分では歯肉に触れています。インプラント周囲が適切に清掃されていない場合、歯肉で歯周病菌が増殖し、次第に骨にまで影響を及ぼすのです。

進行すると、歯を支える歯槽骨が破壊されインプラントの固定が弱まります。

インプラント周囲炎の症状

インプラント周囲炎で歯茎が腫れている人

インプラント周囲炎は、早期の治療が非常に重要です。炎症が歯肉に限定されている間に治療を行い、骨までの進行を抑えることでインプラントの喪失を防げます。

インプラント周囲炎を早期に発見するためには、まずは症状を理解することが重要でしょう。

歯肉が赤くなる・腫れる

インプラント周囲炎の初期症状として、インプラントを取り巻く歯肉に赤みと腫れが現れます。歯肉が敏感になるため、歯磨きの際や腫れた部分を軽く押した際に出血するようになるでしょう。

歯周ポケットが深くなる

インプラント周囲炎の進行に伴い、歯周ポケットが形成されることがあります。歯肉から歯槽骨までの距離が、健康な状態よりも深くなるのです。

歯肉の腫れが進むと、インプラントの上部構造やアバットメントと歯肉の間にすき間が生じ、食べかすや細菌が溜まります。炎症が深部に広がると、歯槽骨を破壊する原因となるでしょう。

膿が出る

インプラント周囲炎が進行して深い歯周ポケットが形成されると、顎の骨が破壊されて細菌感染が起こります。炎症が深刻化すれば、膿が出るようになるでしょう。

歯肉退縮が起こる

インプラント周囲炎が進行し、歯肉や歯槽骨の破壊が始まると歯肉退縮が起こります。歯肉が徐々に下がり始め、インプラントの上部構造が露出するようになります。

インプラントの歯の部分が以前よりも長く見える、インプラントとの接合部やインプラント体が見えるなど、審美性に影響を及ぼすでしょう。

インプラントがぐらつく

インプラント周囲炎が進行して歯槽骨の破壊が進むと、インプラントが骨にしっかりと固定されなくなります。初期段階では、インプラントにわずかな揺れやぐらつきが生じます。

放置するとインプラントの動揺が徐々に強まり、最終的には抜け落ちるかもしれません。

インプラント周囲炎になる原因

インプラント周囲炎になったひと

インプラント周囲炎になる原因は、以下のとおりです。

口腔ケア不足

インプラント周囲炎の主な原因は、プラーク(歯垢)内に存在する細菌です。日常の歯磨きで磨き残しがあると、プラークが蓄積して細菌が増殖し炎症を引き起こします。

また、歯科医院での定期的なメンテナンスを怠ることも、インプラント周囲炎の原因の一つです。ふだんの歯磨きで落とせるプラークと異なり、歯石は歯科医院での専門的なクリーニングによってのみ除去可能です。

そのため、定期的な歯科医院の受診は、インプラント周囲炎予防には欠かせません。

喫煙

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、血流を悪化させます。血管が収縮すると、酸素や栄養素が体の各部位に十分に届かず、細菌に対する抵抗力が低下します。特に、インプラント周囲の組織の健康に悪影響を及ぼすでしょう。

喫煙習慣がある方は、インプラント周囲炎を発症するリスクが高いといえます。インプラントの健康を守るためには、喫煙を控えることが重要です。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎の骨に大きな力を加える行為です。歯や顎の骨に負担をかけ、炎症を引き起こしやすくします。

特にインプラントをしている場合、インプラント周囲炎のリスクを高めることがあります。歯ぎしりや食いしばりなどの習慣がある場合は注意が必要です。

糖尿病

血糖値が高い状態では、体の組織が酸欠状態になって細菌と戦う白血球の機能が低下します。糖尿病を持つ方は、感染症に対する抵抗力が弱まるためインプラント周囲炎のリスクが高くなります。

貧血

血液は、体全体に酸素や栄養を運ぶ重要な役割を果たしています。貧血がある場合、酸素や栄養素が不足するため免疫力が低下します。

貧血の状態では、身体のさまざまな部位で正常な機能が維持されづらく、特に口腔内の健康にも影響を及ぼす可能性が高いです。

歯周病

歯周病を治療せずにインプラント治療を受けると、インプラント周囲炎のリスクが高まります。歯周病に罹患している場合は、まず歯周病の治療を完了させましょう。口腔内環境を健康な状態に戻してから、インプラント治療に進むことが重要です。

インプラント周囲炎を放置すると

インプラント周囲炎になって後悔した人

インプラント周囲炎が進行すると、インプラントがぐらつき始めます。最悪の場合、抜け落ちるリスクがあるでしょう。周囲の歯にも影響を及ぼすため、天然歯の喪失リスクも増大します。

インプラントのぐらつきは噛み合わせを悪化させ、ほかの歯への負担を増加させます。ほかの歯が損傷する可能性もあるでしょう。

インプラントの脱落や天然歯の損傷を避けるため、インプラント周囲炎の兆候を見逃さず、速やかに治療を受けることが極めて重要です。インプラントの健康と機能を長期にわたって維持するために、定期的な検診を怠らないでください。

インプラント周囲炎になったらどうしたらいい?

インプラント周囲炎の治療

インプラント周囲炎になったら、すぐに歯科医院を受診しましょう。

まずは、クリーニングや内服治療を行います。それでも治癒しない場合は、手術を行うのが一般的です。

非外科的治療

インプラント周囲炎が発生した場合、まずは非外科的治療を行います。

・周囲の歯石の除去:インプラント周囲の歯石を取り除き、感染の原因を排除する
・歯周ポケット内の洗浄と薬剤の注入:インプラントと歯肉の間にできたポケット内を洗浄し、必要に応じて薬剤を注入する
・抗生物質の投与:感染を抑え、炎症を軽減するために抗生物質を服用する
・歯磨きや生活指導:適切な歯磨き方法や生活習慣の指導を通じて、ご自宅でのケアをサポートする

上記の治療により、インプラント周囲の炎症を抑えます。

外科的治療

インプラント周囲炎で歯槽骨の吸収が進んでいる場合、外科的治療を行うでしょう。歯肉を切開してインプラント体の表面に付着した汚れや細菌を清掃・殺菌します。

骨の吸収が進行して骨の再生が必要な状況では、骨移植を実施します。

インプラント周囲炎を予防する方法

正しい口腔ケアの指導

インプラント周囲炎は、インプラント治療において避けられないリスクです。予防に努めることが非常に重要です。

予防する方法を確認しましょう。

正しい歯磨きを実施する

インプラント周囲炎を予防するためには、日々の口内ケアが非常に重要です。歯を磨く際は、歯の表面だけでなく、プラーク(歯垢)が溜まりやすい歯と歯茎の間に注意を払いましょう。

歯茎を傷つけることなく汚れを効果的に落とすために、歯ブラシを歯茎に対して45度の角度で当て、小刻みにブラッシングしてください。

また、歯科医院でブラッシング指導を受けることも効果的です。正しいブラッシング方法を身につけることで、インプラント周囲の健康を保ち炎症のリスクを低減できます。

定期的にメンテナンスに通う

インプラントは天然歯に比べて細菌感染を起こしやすいため、治療後の定期的な経過観察が非常に重要です。定期的に歯科医師の診察を受けることで、歯や歯茎、顎の骨の状態をチェックできます。

ご自身で完全に落としきれない汚れは、歯科医院でのプロフェッショナルなクリーニングによって除去してもらいましょう。

生活習慣を見直す

栄養不足や睡眠不足、ストレスの蓄積は、体の抵抗力を低下させる原因となります。インプラント周囲炎を含む、さまざまな健康問題のリスクを高めます。

日常生活においては、栄養バランスの取れた食事を意識し、十分な睡眠を確保することが重要です。体の抵抗力や免疫力が向上するので、インプラント周囲炎の予防に効果的です。

また、ストレスは免疫機能に影響を及ぼすため、ストレスを発散してリラックスする時間を持つことも意識しましょう。

禁煙する

タバコに含まれるニコチンは、インプラント周囲炎のリスクを高めることが知られています。ニコチンによって血流が悪化し、歯肉や骨組織の健康が損なわれるため、インプラントの健康にも影響を及ぼすのです。

インプラント周囲炎を予防するためには、喫煙の習慣を見直すことが重要です。

ナイトガードを使用する

歯科医院で歯ぎしりや食いしばりを指摘された場合、ナイトガードの装着を検討しましょう。ナイトガードは、インプラントにかかる過剰な圧力を軽減しインプラント周囲炎を予防します。

特に夜間、無意識のうちに行われる歯ぎしりや食いしばりは、インプラントに不必要なストレスを与えます。周囲の組織に影響を及ぼす可能性もあるでしょう。

ナイトガードを使用することで、インプラントへの負担を最小限に抑えることが可能です。

まとめ

インプラント治療のイメージ

インプラント周囲炎は、インプラントの歯周病ともよばれており、歯肉の腫れや赤み、出血、歯肉退縮、インプラントのぐらつきなどの症状が現れる疾患です。放置するとインプラントが抜け落ちる恐れがあるため、早期に治療しましょう。

インプラント周囲炎を予防するためには、日々の口内ケアが重要です。正しい歯磨きや定期的な歯科医院でのクリーニングを怠らないようにしましょう。

喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高めるため、禁煙するのが望ましいです。栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの管理も、全身の健康維持と免疫力向上につながり、インプラント周囲炎の予防に効果的です。

インプラント周囲炎の治療を検討されている方は、千葉県市川市にある歯医者「本八幡駅前ミツル歯科」にお気軽にご相談ください。

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